アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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GUARDIANS OF THE GALAXY(2013)#1~#7

マーベルは様々なヒーローが存在し、様々な物語が紡がれてきました。もちろんそれは地球だけの話ではありません。宇宙を駆るヒーローはもちろん、銀河三大帝国のクリー、スクラル、シーアー(シャイアーとも)以外にも様々な脅威が存在しているのです。

今回紹介するGUARDIANS of the GALAXYも例外ではありません。MARVEL NOWで新章をスタートさせた彼らは、映画でお馴染みのメンバーに加え意外なヒーローが参加します。今回は#1~#3、#4~#7の二部構成で見ていきましょう。
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GUARDIANS OF THE GALAXY(2013)#1

 

〈あらすじ〉

クィルからガーディアンズ参加の招待を受けたトニーは深宇宙へと旅立った。そこへバドゥーンの大艦隊が。トニーの技術をも凌駕するそれは、真っ直ぐ針路を地球へ向けている。迎撃するガーディアンズに登場したのは、クィルの父が率いるスパルタックス軍だった!

 

〈より大きな未来を求めて〉

IRON MAN BELIEVEにて人々へより大きな未来を見せようと決意したトニー。彼は予め開発していた深宇宙用アーマー、モデル45で宇宙へ飛び出していたのです。地球を銀河のほんの小さな一部と捉えてより大きな視点を得ようとしていたのでした。
f:id:ELEKINGPIT:20210820094749j:image新アーマーで宇宙を飛び出すトニー。地球最高の頭脳を持つ彼ですら追いつけない科学力が銀河には溢れている。

そんなトニーに早速科学力の差を思い知らされる出来事が始まります。銀河でも獰猛な種族、バドゥーンの大戦艦に遭遇したのです。最新型のリパルサーブラストすら通用しないバリアに打つ手無しのトニー。そこへガーディアンズが現れたのでした。

 

〈地球不可侵条約〉

バドゥーンの艦隊を撃破したガーディアンズ。しかしまだ問題は解決していません。トニーとは全く真逆の針路を取っていた艦隊。その行く先は地球なのです。悪い予感が的中したとばかりに地球は既に猛攻撃に晒されていました。
f:id:ELEKINGPIT:20210821122255j:imageロンドンを襲撃するバドゥーンの大艦隊。トニーの技術が通用しないなら地球に打つ手はない。

一方で、この攻撃を快く思わない人物は他にもいました。地球は宇宙をも壊滅させるような危機に数えきれないほど遭遇していました。それは全宇宙単位で見ても異常なほど頻発しています。そしてそれらを全て退けてきました。銀河三大帝国の1つ、スクラルすら地球の侵略に失敗したことは銀河中でも記憶に新しいことでしょう。そこで銀河でも有数の実力者達を集めた会議が秘密裏に行われ、地球不可侵の合意がなされたのでした。
f:id:ELEKINGPIT:20210821123338j:imageクリーのスプリーム・インテリジェンス、アスガルド全能の母フレイジャ、ピーター・クィルの父でスパルタックスの王ジェイ-ソンなど銀河最強レベルの実力者が参加する秘密会議。バドゥーンの長も参加していたのだが……。

 

〈正体不明の天使〉

#4~#7では地球を巡る戦争とは別の方向で全宇宙の危機が語られることとなります。クィルはある日から頭痛に悩まされるようになりました。白い光に包まれ体験したこともない様々な記憶がフラッシュバックするのです。ガーディアンズから離れていたマンティスに脳内を探ってもらうと、クィルはこの宇宙が最悪の危機に面していることを実感します。一方、他のガーディアンズは地球軌道付近に突如発生した巨大なエネルギー源を追っていました。あらゆる既知のデータにアクセスしても掴めない謎のエネルギー源。唯一わかったのは、この宇宙に現れたのはつい昨日ということ。その正体は、月面近くに漂うたった1人の人間だったのです。観測者ウォッチャーすらその出現に驚きを隠せません。ウォッチャーはこの次元には絶対存在しないはずの存在と語ります。そして不干渉の掟をあえて破り、ガーディアンズにその名を告げました。アンジェラと。
f:id:ELEKINGPIT:20210821171213j:image宇宙を漂うアンジェラ。最強の暗殺者ガモーラと互角の実力者である彼女も、この状況に混乱している様子。

クィルの説得でようやく落ち着いたアンジェラ。彼女は地球の天国からやってきた天使だと名乗ります。しかし何故自分がここにいるのか、どうやって自分はここに来たのか、何一つわからないと言います。唯一わかるのは、突如白い光に包まれた記憶。クィルは確信します。彼女が自分と同じ体験をしたこと、全宇宙が今形を保っていることが奇跡な程の危機に見舞われていることを。クィルは地球上で起きた何らかの出来事が原因で時空間連続体に大きな損傷ができたというのです。時空間連続体は損傷することはあっても修復は出来ません。小さなヒビ1つでも様々な過去や未来、異なる次元に多大なる影響を与えかねません。来る地球襲撃の準備を進めるサノスもこの宇宙に未来がないことを悟っていました。ガーディアンズはアンジェラを地球へ送り一旦彼女の居場所を確保しますが、これから起こる全宇宙のピンチに解決策を思いつくことはありませんでした。
f:id:ELEKINGPIT:20210821173628j:image時空間連続体か破損した影響で光に包まれるアンジェラ。そこで生じた次元の歪みが彼女を地球軌道付近へ招いた。

 

〈トニー・スタークの求める未来〉

謎が謎を呼ぶ展開や大きすぎるスケールに頭がクラクラしてしまった方も多いのではないでしょうか? ここでは1度トニーの視点に立ち返って、物語を整理してみましょう。人々により大きな未来を見せるため深宇宙へと旅立ったトニー。では彼は具体的に何を求めていたのでしょうか? 1つは前述したように、トニーすら凌駕する圧倒的な技術力とそれにインスピレーションを得た自分の発想力でしょう。そしてもう1つは、いつか必ず来る全宇宙の勢力が地球へ侵攻する日に備えることだと考えます。深宇宙の技術力はトニーすら目を見張るものがありました。しかしよく見ると、トニーが驚いている技術は自身が既に完成させているものが多いのです。
f:id:ELEKINGPIT:20210821175017j:image金属を一瞬で繋ぎ合わせる技術に驚くトニー。しかしナノテクで再生する金属を用いたブリーディングエッジアーマーは既に開発済みのはず。

トニーは時空間連続体の損傷も、インカージョンもこの時点で既に知っていました。そして全宇宙が消滅することは避けられないという運命も。インカージョンとは、簡単に言えば平行世界同士がぶつかって互いに消滅する現象です。当時考えられていた解決策は2つ。起点である地球を破壊して平行世界の衝突を防ぐこと。自分の住む以外全ての平行世界を破壊すること。ある意味究極のトロッコ問題と言えますが、トニーは全宇宙を破壊する方を選んでいたことが後に明かされます。そして自分たちの宇宙を守るために、宇宙中の勢力が地球へ侵攻することも既に読んでいました。対抗兵器は開発途中ですが、まずは相手の状況を知るというのは定石でしょう。#7でトニーはガーディアンズを離れますが、後の行動を思えばある出来事で全宇宙の軍事力を把握出来たからと考えれば説明もつきます。

全てを犠牲にして守りたいものを守る。賛否別れる行動かもしれませんが、正解のある問いでもありません。この極限まで追い詰められた状況でこれほど合理的に行動するトニーと自身を1度置き換えてみてください。私は誰も彼に石を投げれないのではないかと思います。