アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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CAPTAIN AMERICA & IRON MAN

コミックに留まらず、映画やアニメ、ゲームなど多方面に展開しているMARVEL。しかしどれを見ても必ずと言っていいほど見かけるコンビがいます。キャプテンアメリカとアイアンマンです。互いに互いを尊敬し、長年共に戦ってきた2人を最高のコンビと見る方も多いのではないでしょうか。そのため2人を扱ったコミックは多く存在します。今回紹介するCAPTAIN AMERICA & IRON MANもその1つ。キャップが様々なヒーローとチームアップするCAPTAIN AMERICA & AVENGERSシリーズの1冊です。時系列としては、フィアーイットセルフとAVENGERS vs X-Menの間辺りだと思われます。歴戦の黄金コンビが挑む新たな戦いを存分に味わうとしましょう。
f:id:ELEKINGPIT:20210927170251j:imageCAPTAIN AMERICA & IRON MAN

 

〈あらすじ〉

マドリプールへやってきたキャップとトニー。2人はあるサイバーウイルスを破壊するために軍事兵器のコンペに潜入していたのだ。ウイルスが世界中へばら撒かれる前に、一刻も早く開発者のカシミール・ベネマを捕えなければならない。

 

〈マドリプールの一夜〉

マドリプール公国とは、マレー半島(東南アジア)の付近に位置する架空の国家です。東南アジア系のマフィアが数多く巣食う「東洋の魔都」として知られており、治安は最悪レベルでしょう。2人が潜入したコンペも、トニー曰く参加者の半分以上は犯罪組織と関わりを持っているようです。情報通りカシミールも参加していました。キャップがその姿を発見、様子をうかがっていると突如天窓をぶち破る音が。バトロック旅団と呼ばれるヴィランチームの襲撃です。
f:id:ELEKINGPIT:20210928005119j:imageフランス式格闘術の達人、バトロック・ザ・リーパー率いるヴィランチーム、バトロック旅団。全員が筋金入りの悪党だ。

 

キャップの戦いを察知したトニーもすぐさま戦いへ参加します。しかしそもそもこの襲撃、あまりにも都合のいいタイミングではないでしょうか? 加勢するアイアンマンを見てカシミールはほくそ笑みます。これも全て自身が開発したサイバーウイルス、ハーヴェスター完成のため。その最終テストをトニーのアーマーで行おうとしていたのです。部屋中にばら撒かれたハーヴェスターは瞬く間に機械を機能不全に。カシミールの目論見通り、アーマーも感染してしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20210928010147j:imageアーマーが使えなくなり絶体絶命のトニー。恐れていた事態が現実のものとなりつつある。

 

キャップが懸命に戦う一方、実験の成功を確信したカシミールはバトロック旅団と共に退却します。得られたデータを元に世界中へと撒き散らす準備をするためです。もしもこのまま何もせずウイルスが解放されたらどうなるのか? トニーは言います。ハーヴェスターはそこらにあるようなサイバーウイルスと違い、不審なメールやURLを開かずともデバイスを感染させることが出来ます。テクノロジーを嗅ぎつけた瞬間機能不全にするのです。そのスピードと威力は脅威的でしょう。瞬く間に世界中へ広がり、あらゆる機械全てを使えなくしてしまうと思われます。更に先程の戦闘でハーヴェスターはアイアンマンのデータを得ました。それを使えばハーヴェスター独自のアイアンマン軍団を作ることも可能。そうなってしまえば最早手に負えないでしょう。
f:id:ELEKINGPIT:20210928012055j:image想定される最悪の状況。残された猶予は少ない。

 

感染したアーマーはトニーの体内に格納されているため、トニー自身もウイルスに感染しているような状態。キャップも戦闘には参加しないように言おうとしますが、トニーの強い意志を見て共に戦うことを決意します。トニーは急場凌ぎのアーマーを作り、ウイルスから送られるシグナルの逆探知に成功しました。特定した居場所へ再び潜入する2人。そこにいたのはカシミールとバトロック旅団、更に科学で世界征服を目論む悪の組織AIMです。カシミールはウイルスの力でアイアンマンの技術を用いたガントレットを作成していました。2人はカシミールに発見されますが、どうやらトニーには何か策があるようです。たった5分で終わらせると宣言するのでした。
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f:id:ELEKINGPIT:20210928012842j:imageついに始まる最終決戦。明らかな「多勢に無勢」だが、自信満々のトニーの策とは?

 

戦いの火蓋が切られたのはほんの一瞬でした。リパルサーブラストがぶつかり合い、剣と盾がぶつかり合います。しかし所詮は利害が一致しただけのチーム。敵の連携はかなりお粗末なものだったと言わざるを得ません。あっという間にノックアウトされ始めるAIMとバトロック旅団。焦ったカシミールはついにウイルスを解放してしまいます。同時、トニーは5分経過したことを宣言、ウイルスに侵されたはずのアーマーを纏います。そして新開発した蜂型のドローンを投入し始めました。実はアーマーがウイルスに感染してからずっとアンチウイルスソフトを開発しており、まさに今完成したのです。これこそがトニーの策でした。ウイルスさえ無効化すれば恐れるものではありません。残る敵を倒すまでそう時間はかかりませんでした。
f:id:ELEKINGPIT:20210928015610j:image放たれる蜂型のドローン。世界中へハーヴェスターが広がる前に全て無効化する。

 

〈最強の2人〉

キャプテンアメリカとアイアンマン。それぞれの能力だけを見ればMARVELヒーローの中でも決して高くはないでしょう。しかし2人が手を組めば絶対に誰にも負けないという安心感が湧き出てくるのも事実。ではこのコンビの強さとは何かを考えていきましょう。

マーベル世界には地球最強と呼ばれるヒーローチームがいます。それがアベンジャーズです。ファンタスティック・フォーX-Menのような特定の繋がりを持たず、誰でもメンバーになれる可能性のある最も門戸の広いチームとも言えるでしょう。1人1人が強烈な個性を放っており、「違うことが最強たる所以」と言われるほどです。言い換えれば、最も各々の個性を活かせるチームなのでしょう。

キャップとアイアンマンも同様です。第2次世界大戦から蘇った伝説の超人兵士と現代を代表する天才発明家。考え方や戦い方など、2人の違いをあげればキリがないでしょう。凸凹コンビと呼ぶ声も聞くほどです。しかしそれこそがこのコンビの強さを表していると思います。2人はそれぞれ全く違う個性、強さを持つからこそパズルのピースのように完璧なコンビネーションを発揮できるのです。お互いに違う方向を向いていても、もう一方を互いに任せることが出来る。単に背中を預ける以上の信頼感がこの2人にはあるのでしょう。

それは今作でも発揮されていました。そもそも今回の事件、やろうと思えばトニー1人でも解決できたはずです。元々トニーは1人で抱え込む傾向があり、恐らく今回も同様だったでしょう。しかし冒頭の2人を見ると、恐らくトニーがキャップに協力を依頼した様子。何でもかんでも1人でやろうとするトニーが誰かに相談するだけでも大きな信頼感が見て取れます。一方キャップも、ウイルスに感染してもなお戦おうとするトニーの決意を無下にしようとはしませんでした。キャロルが頭痛で倒れそうな時キャップはすぐ休めと言いましたが、トニーにはそのような気を使わないという盟友だからこその信頼感が垣間見えます。互いの個性を信じているからこそ、この2人は永遠に最強なのです。