アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

GUARDIAN OF THE GALAXY/ALL-NEW X-MEN TRIAL OF JEAN GREY

バドゥーンの暴走と時空連続体の損傷という2つの大規模な危機に直面したガーディアンズ。アイアンマンの脱退とアンジェラの加入を経た新チームが次に直面するのはX-Menでした。今回紹介するGUARDIAN OF THE GALAXY/ALL-NEW X-MEN TRIAL OF JEAN GREYはGUARDIAN OF THE GALAXY誌とALL-NEW X-MEN誌のクロスオーバーです。ALL-NEW X-MENとは、ビーストの手で過去からやってきたX-Menのオリジナルメンバー(サイクロップスジーン・グレイ、エンジェル、ビースト、アイスマン)を中心に構成されたチーム。若くとも誰にも負けない勇敢さで数々の敵と戦ってきました。宇宙の守護者と若きミュータントの戦士はどのように出会いどんな敵と戦うのか? 皆の活躍に期待しましょう。
f:id:ELEKINGPIT:20210928180446j:imageGUARDIAN OF THE GALAXY/ALL-NEW X-MEN TRIAL OF JEAN GREY

日本語版関連コミック

X-Men:ダークフェニックスサーガ

 

〈あらすじ〉

若年ながらキティ・プライドの元で訓練を受けていたALL-NEW X-MEN。しかし突如現れたシーアーの部隊に襲撃され、呆気なく倒されてしまう。シーアーの目的は、かつて宇宙を震撼させた超エネルギー生命体フェニックスの宿主ジーン・グレイだ。残されたX-Menは誘拐されたジーンを助けることが出来るのか? その命運はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに託された!

 

〈フェニックスの遺産〉

ビルダーズやサノス軍との戦い以来、再び集結した銀河評議会。銀河でもトップクラスの実力者を集めた会合は、前回の秘密会議で地球への不可侵を締結しました。そして今回の議題はジーン・グレイです。フェニックスの器となるも暴走、シーアー領内の星を滅ぼした過去があり、シーアーはその罪を問うため裁判を開くと言うのです。しかし本人は既に死亡しており、今いるジーンは先述の通り過去からタイムスリップしてきた人物。厳密には別人といっても過言ではないでしょう。そんなジーンを罪に問えるのか? そもそも、地球への不可侵締結に反するのではないか? 紛糾する議論を他所に、シーアーの皇帝グラディエーターは既に部隊を送り込んだと宣言します。
f:id:ELEKINGPIT:20210928235413j:imageジーンについて議論する銀河評議会。地球を脅威と見なし不可侵を締結したはずだが……

 

同刻、カナダの山中にある学園付近に彗星が落下しました。シーアーの部隊です。恐るべき戦闘力であっという間にX-Menを倒し、未知の技術でジーンの誘拐に成功します。一方、ガーディアンズは地球へ接近するシーアーの戦艦を追跡していました。シーアーの狙いがジーンにあることはガーディアンズも知っていましたが、地球へ到着した頃には既にシーアーの去った後でした。ならば追いかけて取り戻すまでです。ガーディアンズはALL-NEW X-MENを宇宙船に乗船させ、共にシーアーまで飛び立ちました。
f:id:ELEKINGPIT:20210929001758j:image地球へ到着したガーディアンズを出迎えたのは、弱々しく涙を流すX-Men。その無念、共に晴らさない道はない。

 

〈100万の恨みを込めて〉

ジーンが目を覚ますと、そこはシーアーの尋問室でした。目の前にいる人物は自らをオラクルと名乗ります。オラクルは帝国を守る精鋭中の精鋭部隊、インペリアルガードの一員です。強力なサイキック能力を持つため今回の尋問担当にも選ばれたのでしょう。自身の罪状を聞かされたジーンはすぐに無実を訴えますが、その思考から過去のジーンがフェニックスとして暴走した事実を知っていることを読み取ります。これから行われる裁判は死刑判決ありきのものでしかありません。ジーンの訴えに耳を貸す者は誰もおらず、翌日の裁判を迎えます。
f:id:ELEKINGPIT:20210929002757j:imageついに始まった無慈悲な裁判。粛々と罪状を述べるグラディエータージーンの涙は届かない。

 

正式に判決が下される直前、誰もが予想外の人物から待ったをかけられます。クィルの父にしてスパルタックスの王、ジェイソンです。スパルタックスはシーアーの領内に築かれた王国であり、スパルタックス人も傍聴までなら許可されていました。ジェイソンは秘密会議で結ばれた地球への不可侵を持ち出し、即刻裁判を中止するよう求めます。ジェイソンにとって地球とは最も恐れるべき惑星です。宇宙全体を見れば技術も文明も大したことの無い星ですが、サノスの襲来やフェニックスフォースの来訪など、全宇宙を震撼させるレベルの危機を何度も乗り越えて来ました。それは無視できない事実であり、それを考慮して不可侵は結ばれたのです。もし地球の追っ手がここまでやってこれば……どれほど軍事力で優っていようとも返り討ちにあう危険性は極めて高いでしょう。ジェイソンはそれを恐れていたのです。
f:id:ELEKINGPIT:20210929003722j:image裁判の中止とジーンの解放を主張するジェイソン。シーアーの復讐心以上に地球の底知れぬ実力を恐れてのことだった。

 

ジェイソンの主張は一切受け入れられませんでしたが、ジーンは移送中の僅かな隙をついて脱出に成功します。ガーディアンズ達がシーアーに到着したのはそれとほぼ同時でした。地球からの追っ手が来たことを知ったグラディエーターは直接迎え撃とうと出向きます。しかしガーディアンズX-Menだけでなく、伝説の宇宙海賊スタージャマーズを道中仲間に加えていました。流石のグラディエーターでも勝てる相手ではありません。インペリアルガード全員を巻き込んだ大規模な戦闘が始まります。当初はインペリアルガードが優勢でしたが、逃亡していたジーンが加勢したことで戦況は一変します。怒りで爆発的なパワーを発揮し、1人でグラディエーターを圧倒するのです。
f:id:ELEKINGPIT:20210929091546j:imageALL-NEW X-MENガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、スタージャマーズの連合軍。これに敵う相手はいない。

 

〈シーアーのスーパーマン

今回悪役のような役回りを演じたグラディエーター。しかし元々はシーアーの民衆に支持され、忠義心と高潔さを持ち合わせた人物だったはず。では何故グラディエーターはこのような愚行に走ってしまったのでしょうか? グラディエーターは元インペリアルガードのリーダーであり、現在はシーアーの皇帝という異色の経歴を持ちます。当時はビルダーズとサノス軍を相手に戦う巨大な宇宙戦争終結した後。銀河三大列強(クリー、スクラル、シーアー)も多大なる被害を受けていました。恐らくグラディエーターもその立て直しを図っていた時期でしょう。では何故そんな時にジーンの裁判を急ぐ必要があったのでしょうか?

少し日本史のお話をしましょう。もちろん、最後はこの考察の結論へ結ぶように致しますのでご安心を。1873年、新生明治政府はある議論で真っ二つに意見が割れていました。いわゆる征韓論争と呼ばれるものです。江戸時代から続く旧制度の打破を繰り返し、当時の日本は混乱状態に陥っていたといっても過言ではないでしょう。その国内の混乱を鎮めるため、まずはその整備が必要とする内治派。国内の混乱を鎮めるため、武力をもって朝鮮を開国させようとする征韓派がいました。征韓派は民衆が持つ政府への不満を反らせるため、外国へ目を向けさせようと考えていたのです。

グラディエーターが行ったことは、まさにこの征韓派が意図したことと同じではないでしょうか。民衆の不満をジーンへの恨みに向けさせることで、その処刑で再び支持を得ようとしていたのだと私は思うのです。そもそも既にジーンの処罰は過去に行っていたはず。銀河評議会の不可侵を破ってでも今ジーンを処刑する必要性はないのです。ならば処刑そのものが目的ではなく、内政を治めるためという大きな意図が働いていたとしても不思議ではありません。シーアーのスーパーマンたるグラディエーターが、地球の脅威を無視してでも愚行に走ったのはそのような理由があったのかもしれません。