アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

MENU

CAPTAIN MARVEL #9〜11

キャロルの飼い猫チューバッカの正体がわかった前回。キャロルにも宇宙の旅に慣れが見え始めた頃でしょうが、それほど地球と離れてしまったということもまた事実。未だ地球で帰りを待つ仲間たちは何をしているのでしょうか? また#10はキャロルの個人誌が合計で100話となった記念すべき1話。そういった面にも注目して見てみようと思います。
f:id:ELEKINGPIT:20220121155617j:imageCAPTAIN MARVEL #9

 

関連記事elekingpit.hatenablog.com

elekingpit.hatenablog.com

elekingpit.hatenablog.com

 

〈あらすじ〉

チューバッカの正体もわかり一安心したキャロルとティク。そこへ現れたのは宇宙中で有名なロック歌手でミュータントのライラだった。テレポート能力を持つライラには遠い星へいる人向けの手紙が届けられるらしく、キャロルの元へも地球の仲間から便りが届いていたのだ。

 

〈地球からの便り〉

キャロルとティクには共通の音楽の趣味がありました。ライラ・チェイニー、宇宙中で有名なロック歌手です。そんな2人が熱く語っている時に本人が現れたのだからさあ大変。特にキャロルは攻撃だと勘違いしますが、ライラが曲を奏でると2人も自然とリズムにのっていました。トラブルを解決したのち、ライラはキャロルへ手紙が届いていると言います。それも地球から。それはキャロルの帰りを地球で待つ人々から、テレポート能力を持つライラへ届けられたものでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220121233410j:imageキャロルの元へ届いていた数通の手紙。そこに記されていた内容とは?

 

1通目は、キャロルを慕う子どもキットからでした。以前住んでいたアパートの隣人という縁もあり、キャロルの服装を真似てヒーローごっこをするなんて場面も。そんなキットはニューヨークで起きたある出来事を綴っていました。ある囚人の脱獄事件です。その囚人は相当優秀な科学者らしく、ニューヨーク中のネズミを暴れさせていたよう。そこでキットとヒーローごっこの仲間たちはニューヨークを守るためにネズミ退治へ出かけます。母やスパイダーウーマンの司令に従いネズミ退治を始めますが、ネズミの大軍を前に退却を余儀なくされてしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20220123175815j:image眼科に広がるネズミの大軍。勇気だけでは勝てない。

 

ヒーローごっこで勝てない相手ならば今度は本物のヒーローの出番。自由の女神像の頭部からキットへ無線を送っていたスパイダーウーマン達は、この大軍の動きを指示するリーダーネズミが存在しているはずだと推測します。そこでスパイダーウーマンは電撃を発生させる必殺技ヴェノムブラストを応用、リーダーが発する特殊な怪電波をキャッチすることで特定に成功しました。ここでヴェノムブラストを浴びせればひとまずニューヨークのネズミ騒動は落ち着くでしょう。しかしスパイダーウーマンはキャロルの言葉を思い出します。テロリストでもネズミでも、ヒーローならば殺さない。特に今回のネズミ騒動はヴィランの仕業。言ってしまえばネズミ達も被害者なのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220124140507j:imageキャロルの言葉を胸にネズミを捕まえようとするスパイダーウーマン。ヒーローならば守るべき命に差はつけない。

 

騒動の一段落にキャロルもホッと胸を撫で下ろしたことでしょうが、最後の手紙に驚くべきことが綴られていました。キャロルの空軍時代の恩師トレイシーが危篤状態になったという報せです。キャロルはライラに頼んで一時的に地球へ帰還、急ぎトレイシーの病院へ向かいました。この日アメリカではクリスマスイブ。イルミネーションで彩られた町を眼下に広げ、キャロルはトレイシーの病室で静かな夜を過ごすこととします。いつの間にかうたた寝していたようですが、目が覚めると手首に違和感を覚えます。なんといつの間にか手錠でロックされていたのです。犯人は目の前に立っていました。
f:id:ELEKINGPIT:20220124142751j:image現れたのはキャロルへ強い憎悪を抱くグレイスと、アベンジャーズを苦しめたジューン博士。2人の目的とは?

 

〈広がる希望〉

キャロルの宇宙冒険譚も佳境となった今作。トレイシーの危篤やグレイス、ジューン博士の登場など驚くべき事実も多いですが、シリーズを通して読むとやはりキットの成長に最も驚かされました。キャロルとキット隣人として仲良くしていましたが、同時にキットはキャプテンマーベルへ強い憧れを抱いていました。友達とごっこ遊びをしていたのはまさにその表れでしょう。

幼い子どもたちが行っていたヒーローごっこ。そこにはどのような意味があるのでしょうか? そもそもごっこ遊びは子どもの成長過程で大きな意味を持ちます。大人の役割を自分が行い、足りない部分は想像力で補うのです.。キットはまさにこれを行っていたのでしょう。

今作のネズミ騒動解決に乗り出したキットを「ごっこ遊び」と捉える方もいるでしょう。しかしそれだけではありません。いくら相手がネズミとはいえ、今回の敵は想像上の化け物では無いのです。ごっこ遊びでは倒せた相手も今や倒せるかわからない。それでも正義のために動き出したのは、紛れもなくキットがヒーローの精神を持った証拠でしょう。