アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

GUARDIANS OF THE GALAXY & X-MEN BLACK VORTEXその2

無限の力を与えるブラック・ヴォルテックスの争奪戦でスタートした前回。ミスターナイフの目的や力を巡るヒーロー達の議論など、単に争奪戦だけではない深いドラマを見せてくれました。そして後半戦となる今回は新たな勢力の算入などさらなる盛り上がりが。宇宙を揺るがす大事件はどのような決着を迎えるのでしょうか? 最後まで目が離せません。
f:id:ELEKINGPIT:20220205192136j:imageGUARDIANS OF THE GALAXY & X-MEN BLACK VORTEX

 

前回はこちらelekingpit.hatenablog.com

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〈あらすじ〉

ブラック・ヴォルテックス争奪戦開始! 無限の力をめぐりガモーラたちからクリー帝国の手に渡ったブラック・ヴォルテックスは、ミスターナイフらの砲撃で行方不明となった。一方セインは自らの信者の惨殺に激怒、争奪戦への参加を決意する。さらに100億年前の戦士が姿を現す!

 

〈宇宙なんて〉

ミスターナイフの大砲撃でクリー帝国が壊滅した前回、ノヴァとブラック・ヴォルテックスが行方不明となっていました。そのノヴァはブラック・ヴォルテックスと共に無事生還。しかしあまりにも遠くへ吹き飛ばされたせいかクィルらとの連絡が取れません。鏡を守る孤独な逃避行が続きます。しかしとうとう最後にはミスターナイフとサノスの息子セインに囚われ、鏡も奪われてしまいました。セインは満足気に鏡に触れ、覚醒。全宇宙最悪の凶戦士の誕生です。
f:id:ELEKINGPIT:20220206095236j:imageブラック・ヴォルテックスで覚醒するセイン。もはやサノスすら恐れない全能の力を手に入れた。

 

クリー軍とガモーラたちの戦いが繰り広げられている頃、スパルタックス救出に当たっていたチームは恐るべき戦士と戦っていました。太古より遠い昔に滅んだヴィスカルディの戦士ガラです。ブラック・ヴォルテックス誕生に関わったガラは鏡の持つ危険から銀河を守るため、ブラック・ヴォルテックスを封印しようとしていました。この付近に鏡があるはずとスパルタックスを襲撃したのです。しかしその時、上空から莫大なエネルギー反応が。セイン覚醒の瞬間でした。同時、一筋の光がスパルタックスへ放たれます。それは刹那より短い出来事でした。クィルらがスパルタックスへ到着した頃にはもう手遅れでした。セインの放った光がスパルタックス全てを結晶化したのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220206102244j:image星全土が琥珀化されたスパルタックス。救う手立てはあるのか?

 

さらにスパルタックス上空に現れたのは、銀河列強に名を連ねるブルードです。戦艦の砲撃で降り注いだのは無数の小型ブルード。琥珀化した人々の頭に取り付き頭の部分をかじり始めました。合流したビーストによれば、ブルードは琥珀化した人々の脳内に卵を植え付けようとしているのです。もしこれがスパルタックス全土で行われれば、スパルタックス人絶滅と引き換えに720億ものブルードが誕生することでしょう。ブルードの王とミスターナイフは計画が達成されたことに高笑いを上げます。琥珀化したスパルタックスと引き換えにブルード領の星を手に入れ、新たな帝国を築くことがミスターナイフの計画でした。では何故スパルタックスに拘ったのか? ミスターナイフの正体が前スパルタックス王ジェイ・ソンだったからです。GUARDIANS OF THE GALAXY誌で自らの悪行をクィルに暴露されたジェイ・ソンは、宇宙海賊に転落。クィルとスパルタックスへ復讐する機会をうかがっていたのでした。ジェイ・ソンにとって、正にこの瞬間復讐が成された瞬間だったのです。ジェイ・ソンはトドメと言わんばかりに地表へ殺戮卿団を送り込みました。
f:id:ELEKINGPIT:20220207160805j:image地上へ送り込まれる殺戮卿団。圧倒的な劣勢の中ヒーローに光明はあるのか?

 

自身の透過能力で辛うじて琥珀化を免れたキティは、すぐさまチームと合流して戦闘を始めます。このままではブルードにスパルタックス人が殺されてしまう。ブルードを阻止できても琥珀をどうにかしなければ、スパルタックス人は生き埋めも同然。さらにブルードの捕食完了までのタイムリミットも迫っており、早急に手を打たなければなりません。この状況を打開する一手は? キティは起死回生の策を思いつきます。必要な鍵は1つ。ブラック・ヴォルテックスです。鏡に触れたサイクロップスら決死の戦いで届けられたブラック・ヴォルテックスを前に、キティは「宇宙なんて嫌いだ」と肩をすくめます。キティが考案した大逆転の秘策とは? スパルタックスの行方は? 全てはブラック・ヴォルテックスに託されました。
f:id:ELEKINGPIT:20220207230227j:image覚悟を決めブラック・ヴォルテックスの力に触れたキティ。無限の力が宇宙の運命を左右する。

 

〈力と強さ〉

無限の力を使い宇宙の平和を守るべきか? 暴走する危険を鑑みて封印すべきか? 前回は私なりの考えを述べさせていただきましたが、今回はそもそも「力とは何か?」を考えさせる内容にあふれていました。力とは何か? 強さとは何か? 今作で示されたことを考えたいと思います。

力とは何か? 今作では2つのエピソードがそれを象徴する内容でした。1つはサイクロップスがブラック・ヴォルテックスに触れる決意を固めるシーン。このサイクロップスは過去からやってきた10代のスコットで、現在のサイクロップスがフェニックス・フォースで暴走、プロフェッサーXを殺害したという事実を知っています。恐らく今の自分にも、そんなサイクロップスの要素は多分に持ち合わせているでしょう。もし自分もブラック・ヴォルテックスで暴走したら? そしてもう1つは、キティの元へブラック・ヴォルテックスを運ぶキャロルのエピソード。セインとジェイ・ソン2人を相手に鏡を守らねばならない時に、鏡がバイナリー(ホワイトホールのパワーを得たかつてのキャロル)をも超える姿を見せます。確かにその力を使えばこの場は突破できるでしょう。しかしキャロルは過去、ホワイトホールの力を失ってアルコール依存症に陥るほど悩んだことがあります。本当にこの力を手に入れるべきなのか?

2つのエピソードに共通するのは、「自分を乗り越えること」ではないでしょうか? サイクロップスは未来の、キャロルは過去の自分と比較し、その上でブラック・ヴォルテックスを使うか否かを判断しています。力を手に入れたことは重要では無いのです。過去や未来の自分とは違う選択肢を取ることで、2人は強さを示していました。

一方今作のジェイ・ソンは、それとは真逆の存在と言えるでしょう。過去の自分に囚われ、それを取り戻すためにブラック・ヴォルテックスに頼る姿。決して「暴君」としての自分に触れようとはしません。ジェイ・ソンは自分を乗り越えようとはせず、ひたすら過去の自分であろうとし続けました。しかしそれは成長を止めたということ。どれほど強大な力を手に入れようと決して強くはなれません。

進歩の第1歩を踏み出した2人と、進歩しようとも考えないジェイ・ソン。どちらが「強い」かは言うまでもないでしょう。またそれは強さとは決して無限の力ではないことの証明でもあります。フェニックスフォースで暴走する未来の自分を知りながら覚醒したサイクロップス、ホワイトホールのパワーを失ってアルコール依存症に陥った過去を踏まえ覚醒を拒否するキャロル。2人には自分の過ちを認め、改めることが出来ました。これこそが強さではないでしょうか。