アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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STAR WARS OBSESSION

当ブログではEP3シスの復讐直後を描いたシリーズをいくつか紹介してきました。そこで今回は少し趣向を変えて、EP3シスの復讐直前を描いたシリーズを紹介したいと思います。クローン戦争では数々の活躍から「英雄」と称されるようになったアナキン。しかしその中には確実にダース・ベイダーの片鱗が芽生えつつありました。そしてクローン戦争末期、銀河史に残る大きな戦いが今作で描かれます。
f:id:ELEKINGPIT:20220318195356j:imageSTAR WARS OBSESSION#1

 

 

〈あらすじ〉

はるか昔、遠いかなたの銀河系で……

アサージ・ヴェントレスが生きていた? 暗黒面に落ちた邪悪な暗殺者ヴェントレスはかつてアナキンによって倒されたはずだった。しかしフォースの悪寒が止まらないオビ=ワンは、1人捜索を始めた。

しばしの休息を得たアナキンはナブーで幸せのひとときを過ごしていた。チラつく戦争の脅威を拭いきれずに。

命知らずの行動末ようやくヴェントレスの尻尾を掴んだオビ=ワン。それがシスとジェダイの全面衝突の引き金になると知らずに……

 

〈ダークサイドの暗殺者〉

アサージ・ヴェントレスとは、ドゥークー伯爵秘密の弟子です。強いフォースもジェダイへの激しい憎しみを持つヴェントレスは、伯爵にその才を見出されライトセイバーの訓練を施されました。しかしシスには同時に2人までしか暗黒卿を存在してはならないという、いわゆる「2人の掟」が。これによりヴェントレスは真紅のライトセイバーを扱いながらシスでもジェダイでもない、中途半端な存在となってしまいます。それでもかつてアナキンと互角に戦ったほどの実力者。最後には敗れましたが、オビ=ワンは強いフォースの悪寒を感じて離れません。アナキンの反対を押し切り単独で調査を開始したオビ=ワン。独立星系連合と取引している賞金稼ぎを尋問し、ついにその尻尾を掴みます。ドゥークー伯爵がある商人を暗殺するため「最強の暗殺者」を送り込んだというのです。ジェダイオーダーを脅かしたヴェントレスならばドゥークー伯爵が最強の暗殺者と呼んでいてもおかしくはないでしょう。悪寒が確信へと変わったオビ=ワンは、アナキンに協力を要請、「最強の暗殺者」が現れると思われる座標へ向かいます。予想通りハイパースペースから商人の宇宙船が。早速船内へ上陸しましたが、そこには死体が転がっているばかりです。手遅れだったのか? 焦るオビ=ワンに、死体の傷はブラスターによって付けられたのだとアナキンが言います。ドロイドの仕業だとしてもそれを率いていた人物がいたはず。そう言ってオビ=ワンはブリッジまで進みますが、そこも死体しかいません。瞬間、辺りに轟音が響き渡ります。現れたのは賞金稼ぎのダージ。ドゥークー伯爵が雇った「最強の暗殺者」です。全身を装甲におおわれた賞金稼ぎは、機械を利用した超パワーの格闘戦を得意としています。不意を突いたとはいえオビ=ワンを床へ叩きのめす程の実力者です。さらに船内からドロイドの大軍が。2人のジェダイは四面楚歌に追い込まれてしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20220319012721j:imageダージと戦うアナキン。ジェダイマスターをも葬る実力者に勝つ術はあるのか?

 

2人はオルデランのオーガナ議員が乗る戦艦に間一髪で助けられました。長きに渡る戦争に心を痛めていたオーガナ議員は、ジェダイが護衛に着くことを条件にアウターリムを外遊していたのです。そして評議会はオビ=ワンの報告からヴェントレスの生存を確信、メイス・ウィンドゥを中心に高名なジェダイマスターらで、オーガナ議員の護衛に着くついでにヴェントレスの捜索を初めていました。アナキンは先程の戦いで捕らえたドロイドから、次なる目的地を割り出します。そこは荒涼とした大地が広がるばかりの惑星、ボズ・ピティです。ボズ・ピティと言えば独立星系連合の大艦隊が包囲している惑星です。確かにそこならヴェントレスが居る可能性は高いでしょう。強引に艦隊の包囲網を突破しボズ・ピティへ不時着した一行は、早速ドロイドの大軍と遭遇します。さらにそれらを指揮していたグリーヴァス将軍が現れました。一方オビ=ワンはドロイドの大軍を味方に任せ、敵の拠点と思われる場所を探索。その最深部で見つけたのは、アサージ・ヴェントレスその人でした。
f:id:ELEKINGPIT:20220319014103j:image治療用のタンクで眠るアサージ・ヴェントレス。銀河を脅かした最強の暗殺者は生きていた。

 

驚くオビ=ワンの前に現れたドゥークー伯爵は、ヴェントレスへ暗黒面のフォースを送り無理やり復活させます。こうしてヴェントレス、グリーヴァス将軍、ドゥークー伯爵と多数のジェダイマスターによる戦いが始まったのです。どれも並のジェダイマスターですら敵わないほどの強敵ばかり。高名なジェダイマスターすら何人か命を落としてしまうほど激しい戦いが続きます。しかしこの惑星から脱出することを決めたドゥークー伯爵により、戦況は徐々にジェダイが有利になっていきました。オビ=ワンとアナキンの2人がかりで戦っていたヴェントレスは、自らを置いて出発しようとするドゥークー伯爵へ衝撃を覚えます。このままではヴェントレスは再び負け、共和国に囚われてしまうでしょう。ヴェントレスを見捨てたドゥークー伯爵の目はあまりにも冷酷でした。
f:id:ELEKINGPIT:20220319015026j:imageヴェントレスへ放たれた1発のブラスター。ドゥークー伯爵にとってはヴェントレスすら使い捨ての部下だったのだ。

 

ダース・ベイダーの片鱗〉

EP3シスの復讐直後のシリーズを紹介する際は、ダース・ベイダーに隠されたアナキンの残滓を探すことが多かったように思います。では逆に、EP3シスの復讐直前のアナキンからダース・ベイダーの片鱗を感じ取ることは出来るのでしょうか? そもそもダース・ベイダーの片鱗が芽生えつつあったのはいつ頃のことか? EP2クローンの攻撃でタスケンレイダーを皆殺しにした時? それともさらに前、恐らくEP1ファントム・メナスの時点でその片鱗は生まれつつあったのでは? など、様々な意見があるでしょう。しかし今作に限るなら、アナキンは少なくともこの時点で無自覚ながら暗黒面にぐっと近づいていました。その象徴がダージとの戦いです。ライトセイバーの戦闘ではかなり苦戦していたアナキン。しかし最後に決着をつけたのは、ライトセイバーではありません。フォースで鎧により肉体を支えていることを察知したアナキンは、鎧を操ることでダージを捜査船の脱出ポッドへ乗せて恒星にぶつかるまでに勝利を確信していました。ほぼ無抵抗の人間を恒星へ突っ込ませて殺すとは、ジェダイの掟にも禁じられている行いです。それが意識的になのか無意識なのか、アナキンが厳格すぎるジェダイの掟を何度か破ったことが過去あったのでしょう。敵を倒すためにほとんど暗黒面のようなフォースを扱ったアナキン。この時点で既にダース・ベイダーが芽生えていたのは確かです。