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MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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CAPTAIN MARVEL BRAVER & MIGHTIER

2019年に映画が公開され、MARVEL屈指の人気ヒーローとなったキャロル。今回紹介するCAPTAIN MARVEL BRAVER & MIGHTIERは、映画公開にあわせて発売されたワンショット(1話完結)です。ページ数も決して多くはありませんが、1ページ毎にキャロルの魅力を引き出した、ファン必見の1冊でしょう。
f:id:ELEKINGPIT:20220322133224j:imageCAPTAIN MARVEL BRAVER & MIGHTIER

 

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〈あらすじ〉

宇宙の脅威から地球を守るヒーローチーム、アルファフライトのリーダーとなったキャロル。元空軍のエースパイロットであり、現在は第一線で活躍するキャプテンマーベルへ、2人の子どもが質問をぶつける。

 

〈夢を見るよりも上へ〉

空軍の元エースパイロットでスーパーヒーローのキャロルは、今日も地球を守るために戦い続けていました。しかし今日は特別な仕事が。ある学校から2人の生徒が、学級新聞を作るためにインタビューをするのです。しかしそんな時に現れた侵略者の大部隊。直ぐに片付くだろうと意気込んでいたキャロルですが、予想以上の戦力に苦戦してしまいます。一方2人の生徒は、キャロルの戦いをニュースアプリで知りました。時間の関係で質問できるのはたった1つだけになるでしょう。ならばやることは1つ。キャロルが帰ってくるまでに、質問の内容を練りに練るのです。しかし思い付くのはどれもありきたりな内容ばかり。キャロルが大気圏で激闘を繰り広げている間、2人の生徒は激論を繰り広げていました。しかしいつまでもそんなことをしているわけには行きません。そこでキャロルは、自らが率いるアルファフライトへ残りの敵を任せ、地球へ帰還することに。2人の生徒も長い議論の末、何とか1つの質問に絞ることが出来ました。「もし過去の自分にアドバイスするなら、何と言いますか?」ヒーローになる以前から複雑な人生を歩んできたキャロルにとってはある意味的を射た問いかもしれません。そんな過去の自分へ、キャロルはゆっくりと応えます。
f:id:ELEKINGPIT:20220322234134j:image「悲劇はあった。失うものも多かった。でもそれも自分の一部。いいことも沢山あった。だからもっと高く、速く、遠くまで飛ぶんだ。自分が夢見ているよりもね」ヒーロー名を何度も変えて何度も悩み続けたキャロルだからこその答え。

 

〈だからこそもっと〉

映画の宣伝用に製作された本作。ページをめくる度にキャロルの魅力が溢れる1冊でしたが、反面真新しさはないようにも感じてしまいます。ここでキャロルが語った「過去の自分へのアドバイス」は、これまでのシリーズで何度も示されてきたことなのですから。しかし改めて再考する価値と機会を本作は与えてくれました。ならば本作を通してもう一度考えてみましょう。キャプテンマーベルの強さとは? 以前、キャロルのキャプテンマーベルは皆の希望となることが強さだという考えを綴らせていただきました。しかしそれはあくまで「キャプテンマーベル」としての強さ。キャロル・ダンバースとしての強さはなんなのでしょうか? ありきたりな答えとなってしまいますが、私は「不屈の精神」だと考えています。

「不屈」を武器として立つヒーローといえば、キャプテンマーベルというよりむしろキャプテンアメリカを思い浮かべる方が多いでしょう。私もキャップの強さに不屈の精神は含まれていると考えています。しかし、キャップの「不屈」はキャロルのそれとは違うように思えてなりません。キャップの不屈は言うなれば「不屈の信念」。例えどんな状況に陥っても、自らの信念を貫き正義を成すことこそがキャップの「不屈」でしょう。時にキャップが頑固だと言われる理由もこの辺りにあるのかもしれません。一方キャロルは、例え自らの意見を変えることとなっても、最善を尽くすことでは無いでしょうか? 宇宙からの侵略者を味方に任せたことが正にそれだと考えています。他にもシビルウォー終結後、キャロルは自らの行いを反省し、その上で前に進もうとしました。これはキャップともトニーとも違う内戦後の姿です。自分が間違っていたと認めるのは、想像以上に難しいもの。また何でも1人でやろうとせず、時に仲間を頼るというのは、大半のヒーローが抱える悩みでもあります。それを決断し実行できるのは、キャロルにしかない特別な強さかもしれません。