アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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IRON MAN #186〜#188

クライ博士の提案でシリコンバレーに新会社を設立することとなった前回。道中で繰り広げられた戦いはもちろん、ローディとトニーの確執が明らかとなってしまいました。そして今回からは新会社がいよいよ始動します。親友同士だった2人の間に入ったヒビはどのような道を辿るのでしょうか?
f:id:ELEKINGPIT:20220331153436j:imageIRON MAN #186

 

前回はこちらelekingpit.hatenablog.com

 

〈あらすじ〉

壮絶なアルコール依存症を乗り越え、ローディらと共に仕事を始めることとなったトニー。天才的な手腕からアーウィン博士らの尊敬を集める姿に、ローディは不安を抱え始めていた。シリコンバレーで新たな会社を設立することとなった4人は、順調に準備を進める。

 

〈VSヴァイブロ〉

シリコンバレーに到着した4人は、荷降ろしを始めます。西海岸で地震が発生したのはまさにそんな時でした。原因はシリコンバレー付近にあるとある断層。そこで行われていた地質調査のようです。フランクリン・フォートニーに雇われたアルトン博士が、ある実験に失敗、断層に落ちてしまったのです。当然アルトン博士は死亡したと考えられていましたが、なんと奇跡的に生存していました。アルトン博士が街を歩いていると、テレビから驚くべき情報が流れてきます。それは元雇い主であるフォートニーがテロリストの人質に囚われたというニュースです。そもそもアルトン博士の事故はフォートニーが危険な実験を無理矢理行わせたことが原因。フォートニーの名を聞いた途端、自らを貶めたアルトン博士の怒りが爆発します。奈落の底から生還したアルトン博士は、物体を振動させる不思議な超パワーを手に入れていたのです。自らをヴァイブロと名乗り、この能力を使ってフォートニーへ復讐することを誓います。
f:id:ELEKINGPIT:20220331160233j:image新たなヴィラン、ヴァイブロの誕生。自身を地獄へ叩き落としたフォートニーへの復讐を誓う。

 

一方同じニュースを見ていたローディはすぐさま飛び出します。詳細がわからない以上まだ動くべきではない、というトニーの意見を無視して。フォートニーが囚われていたのは、経営する石油施設でした。銃で武装していたとはいえ、特別なパワーを持たない相手にアイアンマンが苦戦するはずもなく、テロリストはあっという間に制圧されます。施設が振動し始めたのはまさにそんな時です。陸上からヴァイブロが攻撃を始めていたのでした。物体を振動させる能力は、ローディの想定以上でした。瞬く間に光線に捕まり、身動きが取れない程の震動が襲い掛かります。こうなってはパワードスーツに為す術はありません。しかしローディは土壇場で、震動波に捕まったのはパワードスーツそのものだと気づきます。ガントレット部分だけ取り外し震動から逃れると、渾身の一撃をお見舞い。見事ヴァイブロ撃破に成功します。
f:id:ELEKINGPIT:20220331211320j:imageヴァイブロをノックアウトするアイアンマン。咄嗟の機転が何度も命を救ってきた。

 

しかし震動波を操るヴァイブロに牢獄など意味を為しません。フォートニーに加えアイアンマンへの復讐心を募らせたヴァイブロはすぐさま脱獄。フォートニーのオフィスを襲撃し、アイアンマンとの対決を要求します。一方ローディは自分でも理解できないイライラが溜まっていました。トニーの有能っぷりに驚く仲間達を見て、自分だけが不満を持っていることに自身でも驚いる様子でした。何故自分は怒っているのか? 何故時々トニーへ酷いことを言ってしまうのか? ローディは自身の感情を言語化出来ずにいました。ヴァイブロがフォートニーのオフィスを襲撃したのはそんな時です。イライラを隠しきれなくなったローディは、逃げ出すように犯人の元へ向かいました。しかしヴァイブロはそう簡単に倒(相手ではありません。以前よりさらに強くなった震動波がローディを襲います。万事休す。もはやローディに打つ手はあるのか? 天はローディを見放しはしませんでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220401021350j:imageローディの「異変」に気づき駆けつけた3人。これがヴァイブロ攻略の鍵となる。

 

〈技術者としてのトニー・スターク〉

大企業の社長で大富豪の……という紹介とされ方が多いトニー。仲間からマルチタスクの天才と言われ、ずば抜けた経営手腕をもつからこそ「社長でヒーロー」なのでしょう。しかしトニーが天才なのは経営術だけではありません。土壇場でゲリラを壊滅できるほどの威力を持つパワードスーツを開発したのもそうですが、トニーは技術者としても誰にも負けないくらい優秀なのです。今回はそんな技術者としてのトニーに焦点を当てたいと思います。

今作で最もその才能が発揮されたのは、新会社初めての仕事をスタートした時です。製作を依頼された部品の設計図を、たった数分で完成させてしまったのです。同じく技術者として類まれなる才能を持つアーウィン博士も、これには驚きを隠せませんでした。クライ博士もパワードスーツ製造技術に目をつけ、それを売りにすればどの会社にも負けない強みになると豪語するほど。かつてのスターク社もトニーの技術力を主な商売道具にしていたと思うと、クライ博士の言ったことは大袈裟でもなんでもありません。ある程度手段を問わなければ、トニーはまた大企業の社長という立場に復帰できるほどの技術力を有しているのでした。

では何故アーウィン博士らの新会社でそれらを充分に発揮しないのでしょうか? アーウィン博士らの注目を集める度に、謙遜の言葉を述べていたトニー。この会社では誰が社長かも決めていません。そのためトニーは経営者ではなく、雇われた技術者としての立場を望んでいました。かつて多くの社員の期待を裏切ったと考えるトニーは、パワードスーツを着る以上に会社を経営することに抵抗があったようです。一方、徐々に精神を回復させている様子も描かれました。完全復活にはまだ遠いものの、トニーが再び「社長でヒーロー」になる日は近いかもしれません。