アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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AVENGERS/SQUADRON SUPREME '98#1

ラプターの洗脳により一時はアベンジャーズと敵対したスコードロン・スプリーム。しかしもう1つの地球最強のヒーローチームと言われるだけあり、以来SHIELDの秘密計画プロジェクト・ペガサスに参加していました。今作は、2つの地球最強のヒーローチームが共闘する夢のような1作です。いわゆるお祭り作品であるため、ストーリーはやや大味なところもありますが、2大チームが並び立つ熱量の前には敵いません。
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〈あらすじ〉

いつものように訓練を励むアベンジャーズの前に現れたのは、スコードロン・スプリームの戦士ムーングロウだった。なんとムーングロウはアベンジャーズに火急の助けを求めているのだ。急ぎアベンジャーズが向かうと、そこにいたのはチャンピオンを名乗る凶悪ヴィラン。今から始まるデスゲームに、地球最強の2大ヒーローチームを参加させようというのだ。

 

〈狂戦士からの挑戦状〉

戦いのない日は訓練に勤しむのがアベンジャーズの仕事。アベンジャーズマンションにていつものように激しい訓練をすることアベンジャーズですが、突如スコードロン・スプリームの戦士、ムーングロウが現れました。テレポートの使い手でもあるムーングロウは必死にアベンジャーズへ助けを求めます。短い言葉ながら、命懸けの救援要請であることに違いありません。セリフを言い終わらないうちに消えてしまったムーングロウの痕跡を追い、アベンジャーズはすぐさま出動。そこには殺気立ったスコードロン・スプリームがいました。なんとリーダーのハイペリオンいわく、以前コラプターによって洗脳された時と同じ洗脳波を感知したというのです。コラプターは既に捕まっているはず。あの事件に黒幕がいたのか? スコードロンの助けは、黒幕の調査を共同で行いたいということでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220602205253j:image助けに来たアベンジャーズにすら牙を向けようとしたスコードロン・スプリーム。再び自らの正義が歪まされようとしている事実に、全員が怯えていた。

 

感知した洗脳波を辿った先には、森の茂った孤島と、そこに1人立つ大柄な人物が。その名はチャンピオン。世界でも五指に入るほどの大富豪と言われており、その知的好奇心で様々な活動をした凶悪なヴィランです。かつてホークアイアベンジャーズと因縁の対決をし、その後死亡したはず。激昴するホークアイの問いを嘲笑うかのようにチャンピオンは答えます。実はチャンピオンは最新の医療で死を偽装しながら復活、虎視眈々と復讐の機会を探っていたのです。そしてその計画の第1段階としてコラプターを裏から操り、アベンジャーズとスコードロン・スプリームを対決させようとしていたのでした。計画の第1段階は失敗しましたが、第2段階である今回こそが本命です。復讐にも娯楽がなければつまらないでしょう。チャンピオンの復讐は、同時にゲームでもありました。予め世界有数の都市全てに滅亡レベルの爆弾を設置、停止スイッチを孤島の中央にそびえ立つタワーに配置しました。アベンジャーズとスコードロン・スプリームは、その停止スイッチを目指すこと。ただしチャンピオンが道中で妨害する。勝利条件は、チャンピオンよりも先に停止スイッチへ辿り着くことです。ただしチャンピオンが先に停止スイッチまで辿り着けばゲームは失敗、爆弾が起動されます。ゲームを拒否したり外部と連絡を取る等のルール違反が確認された場合は、勝敗に関係なく爆弾が起爆されます。ゲームを始めなければ、そして勝利しなければ億単位の人間が死ぬことになる。両チームはゲームに参加せざるをえませんでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220603225127j:imageゲーム開始の合図と共に走り出す合同チーム。未曾有の大犯罪を防ぐため、両チームが命懸けで勝利を目指す。

 

合同チームはツーマンセルでタワーを目指すことにします。ところがこれはチャンピオンの予想通り。自らの力を誇示するように、世界中から集めたアイテムで次々と合同チームを倒していきます。全員が一斉にかかればすぐに倒せるはずの敵ですが、徹底的な研究の元、徹底的に練られた戦術に為す術もありません。ハイペリオンキャプテン・アメリカも倒れ、爆弾の停止スイッチへ最初にたどり着いたのは、チャンピオンでした。高らかに勝利宣言をするチャンピオン。このまま戯れに数億人の命が失われてしまうのでしょうか? もちろんアベンジャーズもスコードロン・スプリームもそこまで甘い相手ではありません。チャンピオンすら予想外の必勝の手が隠されていたのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220603232814j:image勝利宣言するチャンピオン。しかし裏ではアベンジャーズらの必勝策が進行中で……?

 

〈コンビからアベンジャーズへ〉

今作はアベンジャーズの予備メンバーだったジャスティスとファイアースターが初めてアベンジャーズとして実戦に参加した話でもありました。アベンジャーズオタクであり、その熱量から時に突っ走ってしまうジャスティスとそれを諌めてクールダウンさせるファイアースター。経験の浅い2人は、初陣で何を学んだのでしょうか?

「違うことが最強」と言われるほど個性の強いアベンジャーズ。しかし決して好き勝手をしてもいいというチームではありません。時に協力し、時に譲歩し、時に讃え合うことこそが長命のチーム故の「伝統」なのでしょう。一方クールなだけでは敵を倒せません。冷静に相手の作戦に対抗し、しかしここぞという時は思いっきりヒートアップして敵を倒す場面も必要です。2人にとって必要だったのは、このチームに馴染むこと、そして協調することだったように感じます。アクの強いチームの中でも浮いた存在だった2人が目立っていたのは、「アベンジャーズのメンバー」よりも「ジャスティスとファイアースターのコンビ」という印象が強かったからです。しかし今作の後半ではそのような印象はほとんどありませんでした。初陣を通して、他のメンバーと命懸けの戦いを切り抜けて、2人はアベンジャーズの世界に馴染むことが出来たのです。