ビルダーズやサノスとの戦いを描いたインフィニティで、より拡大したアベンジャーズの世界。そんな「アベンジャーズ・ワールド」を描いたのが今シリーズAVENGERS WORLDです。インフィニティ以降、オリジナル・シンやアクシスなど大型イベントに挟まれ描ききれなかったアベンジャーズの世界とは? MARVEL NOW!期のアベンジャーズとあわせて読みたいシリーズです。
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〈あらすじ〉
これまでの確執を乗り越え、ついに手を組んだアベンジャーズとSHIELD。そんなアベンジャーズとSHIELDの共同任務は、世界各地で発生する「異常事態」に対処することだった。
〈本来あるべき姿へ〉
アベンジャーズとSHIELDの同盟。今まで様々な確執や立場の違いから、時に対立したり協力したりと曖昧な関係でした。それがついに、キャップとヒル司令官の手で同盟を結んだのです。それは世界各地で発生する「異常事態」に対処するためでした。東海岸で発生した災害級のハリケーン、暴動の末無政府状態となったマドリプール、音もなく住民が消滅したイタリア、急激な発達を遂げ、最早進化の領域に達したAIM島。これら全てにアベンジャーズを派遣しなければなりません。バナー博士が逐次状況を確認し、キャップが指揮を執る体勢で早速対処に当たります。
世界の危機を前に状況を把握するヒル司令官とキャップ。人々に安心をもたらすには、過去の確執に捕われている場合ではない。
現地に派遣されたアベンジャーズからキャップへ飛び込んでくるのは、どれも信じられないような情報ばかり。東南アジアの孤島マドリプールはハンドの秘術で巨大な地龍となり、イタリアは死の概念が蔓延中。さらに悪いことに、マドリプールのハンドにシャンチーは敗れ、イタリアではスター・ブランドが「死の声」に晒され続けた結果、黒魔術の使い手モーガン・ル・フェイと対峙します。そして東海岸を襲う超巨大ハリケーンはAIM島に原因があると発覚。AIM島に送り込んだスマッシャーらが捕えられたこともあり、キャップはアベンジャーズ最高戦力であるキャロル、ソー、ハイペリオンの派遣を決定します。
マニフォルドの手でAIM島へテレポートしたアベンジャーズ最高戦力の3人。仲間の危機を救うため、この帝国を打ち砕く。
〈AIM帝国下のアベンジャーズワールド〉
AVENGERS WORLDというシリーズ名でありながら、いきなり世界の危機を描いた本作。戦いの決着は次回以降に持ち越されたこともあり、今シリーズの行き先を決めるような内容だったと言えるでしょう。インフィニティにてアベンジャーズの守る世界=アベンジャーズ・ワールドとされ、今作ではそれが後押しされたような印象でした。と同時に、銀河中にまで広がったアベンジャーズの希望の脆さも描かれました。世界を支えるアベンジャーズという希望が打ち砕かれてしまったら? とはいえ、そんな状態はそれまでも何度もあったこと。そしてアベンジャーズの希望がまだ絶えていないことも今作で示されています。今作は正に「タメ」の期間。言ってしまえばやられてナンボの状態なのです。