アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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STAR WARS vol2 SHOWDOWN ON THE SMUGGLER'S MOON

EP4〜EP5の間を描く今シリーズも第2巻に突入。導入編としての第1巻は、ベイダー卿とルークの初対決やボバ・フェットの登場など、既存の人気キャラで数多くのファンと話題を呼び寄せる結果となりました。そして第2巻に当たる今作は、よりオリジナル要素を増やすことでシリーズの魅力を引き出します。整合性が重視されるカノンシリーズで、既存作品との矛盾がなく、かつ説得力を持たせるオリジナル要素をどう設定するかはライターの腕の見せどころですが、人気ライターのジェイソン・アーロン氏にかかればこれ程面白くなるのかと驚くばかり。是非作品共々お楽しみください。
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日本語版関連コミック

 

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〈あらすじ〉

遠い昔、はるかかなたの銀河系で……

反乱軍の新たな基地を設立するため、惑星を旅するレイアとソロ。そこへ現れたのはソロのパートナーを名乗る人物だった。

オビワンの日記に記されていた館を目指すルークに事件発生。情報を求めて訪れた惑星ナーシャッダでハット一族に囚われたのだ。

新たなるジェダイとしてライトセイバーを振るうルークに迫る暗黒の影。この銀河にジェダイを望む者は多くない……

 

〈蠢くナーシャッダ〉

反乱軍はデス・スターの脅威から逃れたとはいえ、場所がバレた以上いつ攻撃されるか分からないヤヴィンⅣの放棄を決定。新たな基地に適切な場所を探す任務をソロとレイアに課していました。ファルコンを使えば目立つと考えた2人は、帝国の小型船を盗み銀河の津々浦々へ。そしてある惑星を訪れた時に出会ったのが、ソロのパートナーを名乗る人物でした。その名はサラ。賞金稼ぎで身を立てており、ソロを連れ戻すためにやって来たと言います。どうやらソロが反乱軍から自由を奪われていると勘違いしている様子。賞金首であるレイア姫を帝国へ売り、とっとと自分と逃げ出そうと言って譲りません。ところがそんなサナの言葉にソロは動揺していました。結婚なんてした覚えはない、そんなのは間違いだ。まるでくだらない痴話喧嘩にレイアも呆れ顔です。ところが上空から帝国の部隊が現れ、事態は急変します。なんとサラは、本当にレイアの身柄を売るために帝国へ通報していたのです。ソロ達のスペースシャトルを爆破して逃げ場も無くし、絶体絶命のピンチ。それでもサラの宇宙船を使ってレイアと逃げようとするソロに驚きの声を上げます。サナは、今やソロも帝国の狙う首であることを知らなかったのです。自分で呼んだ帝国軍ですが、もしソロが捕まれば命はないでしょう。サナは2人を連れて脱出することを決意します。
f:id:ELEKINGPIT:20220907015249j:image辺境の惑星に現れたサナ。自らをサナ・ソロと名乗るなどパートナーであることを強調する。

 

同刻、ルークとR2はXウィングで宇宙を駆けていました。故郷タトゥイーンで見つけた日誌からオビワンの館を探そうとしていたのです。まずは情報集めのために、密輸業者が根城にしている惑星ナーシャッダへ向かうルーク達。早速情報収集のために酒場を訪ねますが、腰に下げているライトセイバーを巡っていきなり乱闘騒ぎに。ジェダイの遺物であるライトセイバーを欲しがる者は多く、いかにも「田舎者の青年」といった風貌のルークは格好のカモに思われたのです。ルーク自身修行を始めたばかりの身、ジェダイマスターのような剣技はまだまだでした。雑踏を撒くことには成功しますが、噂を聞きつけたハット族の1人グラッカス・ハットに囚われてしまいます。グラッカスは帝国に隠れジェダイの遺物を集めるコレクター。アクセサリーにライトセイバーを用い、自宅には大量のホロクロンを保管するほどです。
f:id:ELEKINGPIT:20220907235424j:imageジェダイの遺物を集めるグラッカス・ハット。クローン大戦で活躍したマグナガードを携え、ライトセイバーをアクセサリーにするほど。

 

ジェダイしかアクセス出来ないホロクロンを開いたルークを認め、グラッカスはライトセイバーを扱う戦士ゲームマスターに修行を付けさせます。グラッカスは帝国圧政の象徴であるダース・ベイダーの討伐を密かに目論んでいました。そのためルークにベイダー卿を暗殺させる戦士にしようとしていたのです。ところがゲームマスターの評価は見込みなし。模擬試合だから良かったものの、実戦ならば何度死んでいたことか。となればルークを生かす理由もありません。ライトセイバーとフォースを操るジェダイという看板でコロシアムを開き、あとは見世物としてケモノに食い殺させてしまえばいいでしょう。同じ頃、帝国艦隊から逃げるレイア達は、同盟軍の通信でルークがナーシャッダに囚われていることを知ります。ナーシャッダのならず者には宇宙規模のギャング団を率いるハット族のような危険人物が大勢います。デス・スターを破壊しサイムーン1でも大活躍した反乱軍の英雄とはいえ、救出には多数の犠牲が出ることは明らか。モン・モスマは救出作戦を出すことは出来ないと考えていました。しかしそれでも、命を捨てて仲間を救う勇敢な戦士達がいました。チューバッカと、通信を聞いたハン・ソロ達です。
f:id:ELEKINGPIT:20220908004022j:imageルークを助けにナーシャッダの土を踏むレイア達。サナとのトラブルは続くが、それでも絆を優先した。

 

〈ルークと同盟軍〉

ナーシャッダにてグラッカスに囚われたルークに、非情な決断を降したモン・モスマ。より多くの犠牲を避けるためにルークの犠牲はやむ無しと考えた結果ですが、冷徹で残酷と言われてもやむを得ない判断に思えます。当時のルークは同盟軍の中でどのような立場だったのでしょうか? EP4では人員不足からパイロットとしてデス・スター破壊作戦に参加していたルーク。しかしそれも言ってしまえばただの成り行きに過ぎません。またサイムーン1帝国武器庫破壊作戦でも、ソロやレイアなどのレギュラーメンバー以外は同盟軍が誰1人参加していない様子でした。他の同盟軍兵士には考えられないほどの大戦果を上げ、時代の節目を作り上げたルーク。しかしその扱いはあまり良いとは言えないのです。それもそのはず。ルーク自身同盟軍の一員にしては少し奔放な行動を取っているのです。扱いが悪いとは言ってもXウィング1機を与えている同盟軍ですが、ルークはそれ以上にジェダイの修行を優先していました。ダース・ベイダーとの戦いで完敗したルークは、ジェダイが何たるか自分なりに答えを見つけ出すまで同盟軍には帰らないと覚悟を決めていたのです。これは後のEP5でも似た行動を取っています。同盟軍目線では、ルークは一軍人にしては行動が自由過ぎるのです。その上大活躍した英雄中の英雄に軽率な罰を与えれば士気に関わるでしょう。ルークの扱いは、悪いのではなく同盟軍も困っていたと考えるのが妥当なのです。とはいえモン・モスマには邪魔だからこの機会に排除……という考えは微塵もなかったことでしょう。しかしルークをどうすべきなのか困っていたことは事実かもしれません。