アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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THOR GOD OF THUNDER vol3 THE ACCURSED

神を殺し続けた屠殺者ゴァを倒した前回。過去や未来の自身と協力し、神のヒーローとしてその名を再び轟かせることとなりました。そして今回はMCUにも登場したあの強敵との戦いへ。映画以上の大活躍を期待しましょう。
f:id:ELEKINGPIT:20211102193831j:imageTHOR GOD OF THUNDER vol3 THE ACCURSED

 

前回はこちら

elekingpit.hatenablog.com

 

〈あらすじ〉

ゴァとの戦いに勝利し、アスガルドにも平和がもたらされた。だがいつもの様にシフや3戦士達と食事をしていると、突然辺りに悲鳴が響き渡る。ダークエルフの住む世界、スヴァルトアルフヘイムが襲撃されたというのだ。そこにいたのはマレキス。ダークエルフの王である。

 

〈九つの世界に救済を〉

神として、全人類を守ると誓ったソー。しかし元恋人のジェーン・フォスターが癌になっていると知り、雷とムジョルニアで全ては救えないと改めて実感します。全てを救おうとしなくってもいい。ジェーンの言葉を受けてもなお自分に出来ることを模索するソーの元へ、スヴァルトアルフヘイム襲撃の報せがやって来ました。アスガルドの勇戦士達を連れて急行すると、そこには数多くのダークエルフの死体が。その先に立っていたのはダークエルフの王、マレキスです。何故マレキスは自分の民を虐殺しているのか? どうやらアスガルドの神々に感化され軟弱になる領民を嘆いていたらしく、それらの死を持ってスヴァルトアルフヘイムを再興しようとしていたようです。他の8つの世界に逃げたダークエルフ達も全員殺すことを宣言したマレキスは、まんまとソー達を騙して去ります。
f:id:ELEKINGPIT:20211102230559j:image全ての世界にいるダークエルフへ救済を。マレキスの「狩り」が始まった。

 

これにはソーも黙っていられません。全てのダークエルフを救うため、単独でマレキスを追いかけようとします。ところが全能なる母フレイジャは、チームを組むべきと提案。あらゆる世界から志を共にしたリーグ・オブ・レルムズが結成されました。早速新チームはマレキスを追いますが、常に1歩先を越されてばかり。2つの世界で捕り逃した後、巨人の世界ヨトゥンヘイムでついに会敵。しかしマレキスは一瞬の隙をついてチーム唯一の巨人族ジーを殺害。更に巨人族を何人も味方に引き入れ、今にもリーグ・オブ・レルムズを踏みつぶす程の力を手に入れていました。オジーを殺された怒りでソーが暴走しかけますが、ここはマレキスが余裕ある退却を選択したことで最悪の事態は免れます。しかしリーグ・オブ・レルムズの追撃を尽くかわし、オジーを容赦なく殺したマレキスの動きにソーは違和感を覚えます。恐らくこの中に裏切り者がいる。そう確信したソーは戦いにも積極的に参加しなかったトロールのウドの首を跳ねます。オジーは殺され、曖昧な証拠でウドを断罪し、リーグ・オブ・レルムズの絆は完全に崩壊。早くも解散してしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20211103003105j:imageウドを断罪したソー。チームの信頼感が崩れた今、これ以上チームでいる必要は無い。

 

リーグ・オブ・レルムズのメンバーでマレキスに家族を殺された戦士ワジリアと共に地球へ訪れたソー。2人が向かったのはダークエルフの隠れ家でした。しかしマレキスと同じスヴァルトアルフヘイム出身のダークエルフであるワジリアを信用しきれず、2人は争う寸前に。ところがその瞬間、ソーの口から巨大な寄生虫が現れました。この寄生虫がリーグ・オブ・レルムズの動向をマレキスへ伝えていたのです。直後にはマレキスも登場します。今度こそマレキスを倒そうとムジョルニアを掲げるソー。更に意外な援軍も駆けつけ、最終決戦が始まりました。
f:id:ELEKINGPIT:20211103012303j:image駆けつけたリーグ・オブ・レルムズ。ウドの死がソーの偽装と発覚し、壊れた絆はこれまで以上に頑強なものとなった。

 

〈神のいる意味〉

神の仕事とは全人類を救い守ること、と少なくともソーは考えているようです。ここでいう人類とは地球人のことではなく、あらゆる生物を(別次元のドワーフやエルフも)も含んでいるのでしょう。しかし癌に犯されたジェーンは言います。全てを救おうとしなくてもいいと。ソーならば癌を救う方法を見つけられるかもしれませんが、あくまでジェーンは人類の技術のみで癌と戦うと宣言、ソーの力は借りないつもりのようです。これではソーの考える神の仕事ができません。ソーがこの世界にいる意味とは? 今回はそれを考えたいと思います。

数多くのヴィランと戦い、恐らくマーベルユニバースの住民からもヒーローとして認識されているソー。かつてのように君臨する存在ではなく、キャップやトニーら人間のヒーローとも肩を並べて戦う機会は多いはず。かつてのように人間を率いる戦いはしなくなったはずです。今や神は人間と共存する存在と言えるでしょう。しかし神は人間の精神的支柱でもあります。人は神に祈り、「神が見守ってくれている」という安心感を得ています。現代の神は絶対的な存在でありながら人類と共存するという複雑な関係です。

しかしこの「神が見守ってくれている」は、例えば母でも父でも、親しい人の名前でも、安心感を得るのであれば神である必要はありません。現代の神の絶対性はかつてのそれよりかなりハードルが低くなっているはず。では神のいる意味とは? 共存と絶対性を併せ持つ存在、つまりいつでも肩を貸してくれる存在と私は考えます。戦う時は共に立ち、辛い時は寄り添ってくれるような存在です。例えば恋人や親友相手でもこれを100%こなせる人間はいないはず。今作のジェーンとの会話にはそんな意味があったように思います。