アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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ULTIMATE ENEMY

空前絶後の大事件アルティメイタムを終え、再び立ち上がりつつあるアルティメットユニバース。しかしそんな世界へまたしても毒牙が向けられてしまいます。今作はそんなアルティメットユニバースに正体不明の敵が現れる、ドゥームズデイ三部作の第一作目です。かつては宇宙最大の脅威をも退けたヒーロー達が相対する敵の正体とは? アルティメットユニバースに再び激震が走り始めます。
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〈あらすじ〉

その日、ニューヨークを襲ったのは謎の巨大な生物だった。それが生物なのかさえ分からない謎の塊の正体はなんなのか? ヴェールに包まれた謎を解けるのはこの世界でリード・リチャーズしかいない。決意を固めたスーザン達を待ち受けていたのは、リード・リチャーズの訃報だった。

 

〈未知の敵〉

それはスパイダーウーマンが摩天楼の隙間を縫うようにスイングしていた時のことです。ロキソンの実験によって生まれたスパイダーウーマンは、その非倫理的な手段を憎悪さえ抱いていました。おそらくこの実験は今も続けられている。実験を止めるため、進路をロキソン社へ向けたその時です。ロキソン社が爆発したのです。目的を救出に変更し急ぎ爆発があった場所へ向かうスパイダーウーマン。助け出された研究者達は何もしていないと叫ぶばかり。爆発の中心には巨大なスライムのような塊が。スパイダーウーマンは爆発に巻き込まれなかった人々を助けるのに精一杯で、この「塊」が移動するのを見ることしか出来ませんでした。同刻、元ファンタスティック・フォーのスーザンはバクスタービルで1人研究に明け暮れていました。久方ぶりに訪ねてきたシングとの再会に喜ぶのも束の間、まるでそれを妨害するかのように「塊」がバクスタービルへ襲い掛かります。更に同じ頃、元SHIELD長官のニック・フューリーは謎の人物から襲撃を受けていました。理由は不明、爆煙の影から分かるのはかなりの大柄ということだけです。念の為に用意していた装備も尽く破られ絶体絶命のピンチ。偶然近くにいたスパイダーマンとヒューマントーチの救援がなければ命を落としていたかもしれません。アルティメイタムをも乗り越えた2人のヒーローの活躍で謎の人物は撤退を余儀なくされます。しかし安心する暇はありません。なんと巨大な「塊」がバクスタービルを襲っているではありませんか。急ぎ駆けつけるヒューマントーチ。リードを除く元ファンタスティック・フォーが3人集結し、見事「塊」の排除に成功しました。わずか十数分の間に起こったこれらの出来事。一連の事件は全て関連しているのか? そしてこの「塊」の正体とは? 全ての謎を解き明かせるのはこの世界でたった1人しかいません。3人はリード・リチャーズの元を訪ねることにしました。
f:id:ELEKINGPIT:20230812030416j:image一連の騒動を終えなお混乱する3人。全ての謎を解くにはリードの力を借りるしかないが……?

 

リード・リチャーズは現在、ソーホーの実家に家族と静かに暮らしているはず。3人とスパイダーマンの4人はリードの実家へ赴きます。しかし待っていたのは驚くべき光景でした。なんとリードの実家は内部から巨大なら爆発が起きたようで、かろうじて外郭を残すのみになっていたのです。家に住んでいたはずのリチャーズ一家は全員が死亡したとのこと。4人のショックは計り知れません。その時、スパイダーマンの背中に悪寒が走ります。敵は十中八九リードが何者かを知っていた。そして居住地を特定し、家族諸共攻撃したに違いありません。ならば次の標的は、この事件に巻き込まれたスパイダーマンの実家である可能性は十二分に考えられます。スパイダーマンの悪い予感は的中していました。フューリーを襲ったあの大柄の人物が、メイおばさんらに襲いかかろうとしていたのです。幸いアイスマンの迎撃でどうにかはなっていますがそれも時間の問題。4人は急ぎスパイダーマンの実家へ向かいます。一方、SHIELDの現長官キャロル・ダンバースは立て続けに起こった一連の騒動を重く受け止めていました。これは何者かが宣戦布告をした、或いは既に戦争を仕掛けている? 敵の目的が何なのかを知るためにもメイおばさんを襲おうとした謎の人物は絶対に捕まえねばなりません。キャロルはSHIELDの中でも精鋭、ハルクバスター隊を送り込みます。謎の人物の戦闘力は確かに脅威です。しかし今目の前にしているのは、あのアルティメイタムをも乗り越えた5人のヒーローとSHIELDの超精鋭部隊。膝をつけるまでそう時間はかかりませんでした。これで落着まで1歩前進したことでしょう。あとはSHIELDの尋問で何を話すかを待つのみです。しかし尋問の「答え」はより一層謎を濃くしてしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20230812034044j:image「謎の敵」を尋問するフューリー。手がかりを求めて行ったことがより事件の謎を深めた。

 

〈新たなる敵〉

アルティメイタムを乗り越え復興を果たしたニューヨーク。本作は立ち上がることに成功した矢先のアルティメットユニバースで、新たなる敵の襲撃を描きました。何故このタイミングなのでしょうか? もし攻撃が目的なら、アルティメイタム中の混乱に乗じた方が効果は大きかったはず。何故復興し、再び力をつけたアメリカを襲ったのでしょうか? 尋問の結果、敵は次の言葉を口にしました。「お前たちの選択が罰をもたらした。破壊の後に新世界が生まれる。クリーンな世界、真の約束の世界が」分かることは1つ、敵はこのタイミングを狙っていたということでしょう。超人が誕生して以来積み重なってきた世界の歪みは、マグニートーの悲劇という形で世界全土へ影響を及ぼしました。しかしその歪みはアルティメイタムで一応の決着を見ます。一方マグニートーの天変地異はそれ以上に多くの悲劇を生み出しました。X-Menファンタスティック・フォーは解散、死者600万人を超える大事件となります。その結果、世界には大災害を由来とする新たな「歪み」が生まれてしまったのではないでしょうか? つまり敵はアルティメイタムの結果生まれた歪みに耐えきれず、この事件を起こしたと考えられます。何故このタイミングなのか? 敵にも準備期間は必要だったでしょう。多くの悲劇を引き起こしたアルティメイタム。それはアルティメットユニバースが背負ってきた歪みが生んだ結果でした。しかしあの未曾有の大津波で全てが洗い流されたわけではありません。ハッピーエンドを迎えられなかった多くの人々が立ち上がる過程で、どこかに歪みが生まれてもおかしくはありません。悲劇が悲劇を呼び連鎖するこの世界、再び究極のヒーローたちが求められるでしょう。