アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

X-MEN BATTLE OF THE ATOM 前編

人類の進化種ミュータントとして様々な歴史を歩んできたX-Men。しかしフェニックスが地球へ来襲、アベンジャーズを巻き込んだ戦い以来X-Menは2つのチームへ分裂してしまいました。更に過去から連れられたオリジナルX-Menを加え、現在(MARVEL NOW!期)には3つのX-Menが存在していました。今作はそんな3つのX-Menを巡る物語です。全10話ということで、今回は前半5話を読み進めたいと思います。
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後編はこちらelekingpit.hatenablog.com

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〈あらすじ〉

ジーン・グレイ学園では激論が繰り広げられていた。過去から来たX-Menを元の時代へ帰すべきでは? 現実にも影響が現れ始める中、未来からX-Menが現れる。

 

X-MenX-Men

ジーン・グレイ学園を本拠地とするX-Menは、ウルヴァリンを中心にミュータントを育成していました。中でも過去から来たオリジナルX-Menは現代にも負けない自由への意志があり、「将来有望」なヒーローです。過去から来たオリジナルX-Menはエンジェルが革命派のX-Men(現代のサイクロプスが率いるチーム)へ合流しましたが、全員が過去より複雑な現代を懸命に生き抜いています。エグゼビアが死に、ウルヴァリンサイクロプスがそれぞれ違うX-Menを率いる時代。過去のX-Menはこの時代で成長することを望んでいました。しかしある時事件が起きます。過去のサイクロプスが敵の攻撃にあい生死をさまよった時、なんと現代のサイクロプスの存在が消滅しかけたのです。タイムパラドックスが何らかの作用を起こしたのでしょう。以来ジーン・グレイ学園では過去のX-Menを元の時代へ帰すべきという意見が強まります。そもそも過去のX-Menはこの時代にいないはずの存在。この時代にいること自体が本来はありえないのです。しかし過去のX-Menは現代のビーストが連れてきた経緯があります。まずは過去のX-Menの意思も汲むべきでは? 止まらない激論の中、ジーン・グレイ学園を訪れたのは驚くべき人物たちでした。なんと未来からやってきたX-Menだというのです。リーダーはエグゼビアの孫で、現代から引き続きビーストとキティ・プライド、そしてデッドプールの姿があります。またアイスハルクと呼ばれる人物はアイスマンの未来の姿でしょう。そして元ランナウェイズのモーリーが参加していました。更に仮面をつけた謎のミュータントも。未来から来たX-Menは口を揃えて言います。過去のX-Menを元の時代へ帰すべきだと。
f:id:ELEKINGPIT:20231122081639j:image未来から来たX-Men。その目的は、最悪の事態を回避するためだった。

 

未来のX-Menの忠告は、ウルヴァリン達の主張を裏付けるものでした。やはり過去から来たX-Menは元の時代へ帰るべきなのです。でなければ災厄が起こる。これに強い不満を持ったのが、過去のジーンでした。この時代に留まりたいという意思は示しているのに、それがほとんど考慮されないまま話が進むではありませんか。ジーンは過去から来たサイクロプスへテレパシーで協力を求めます。ここから逃げるしかない。ジーンはウルヴァリンを思念波で操り暴走させ隙を作ると、ブラックバードを奪い脱出に成功します。災厄が起こると言ったそばから逃げ出した2人に未来のX-Menは頭を抱えます。出来れば2人を説得して過去へ戻すしかありません。現代のX-Menにも協力を求め、両チームはジーンとサイクロプスの追跡を開始。しかし2人もただでは見つかりません。10人のヒーローに囲まれたと思いきや、一瞬の油断をついてX-Menの追跡から逃れたのです。2人が頼ったのは現代のサイクロプスが率いる、革命派のX-Menです。過去から来た2人の話を聞いた現代のサイクロプスは、2人を助けることにしました。困っているミュータントがいたらそれを助けるのがX-Menの役割。チームからは反対の声が上がりますが、サイクロプスの意思は固いようです。そこへやってきたのは、ウルヴァリン率いるX-Menと未来のX-Men。どうやら強力なテレパスがいるようで、あっという間に2人の居場所がバレてしまったようです。元々対立していた現代の両X-Men。戦闘が始まるまで時間はかかりませんでした。中でもテレパス同士の戦いは激しいものに。思念波をぶつけ合う戦闘は、傍から見たら棒立ちしているだけに思えます。その戦いの行方が今後の鍵を握っていました。未来のX-Menの中でも正体不明だったゾーン。真の姿は、過去から来たジーンその人でした。過去の世界線ジーンが成長した、未来の姿なのです。強力なテレパスとして成長したジーンはエマやカッコーズを圧倒、過去の自分と直接対決します。勝負の果て、なんと過去のジーンが未来のジーンを破りました。わざわざ未来から来て忠告しようとした「災厄」の正体とは? 過去のジーンは記憶を垣間見ることで真実を知りました。全てを知ったジーンは過去のサイクロプスへ一言、元の時代へ帰ろうと告げました。
f:id:ELEKINGPIT:20231123005235j:image過去のジーンが垣間見た未来の正体。それは自身の決意すら揺るがすものだった。

 

〈子どもの意志〉

4つのX-Menが入り乱れる本作。それぞれに思惑があり、協力し敵対し、カオスに近い状態が生まれてしまいました。中でも本作で目立ったのは、「子どもの意志」でした。子どもの意思をどこまで反映させるべきなのか、そもそも反映させないべきなのか? 4つのX-Menの思惑は、それぞれ「子どもの意志」へのスタンスで分かれているといっていいでしょう。未来のX-Menが語る「災厄」の実態がどのようなものかは分かりませんが、未来のX-Menは一方的に過去のX-Menへ元の時代へ帰るよう言うだけで、留まり続けると何が起こるのかさえ教えようとはしません。そのやり方は少々強引な印象さえ抱いてしまうほどでした。一方過去のX-Menは様々な反応を見せます。未来のX-Menに反発するもの、不満を抱きながら従うもの。特にジーンの反発は顕著でしたが、ビーストやアイスマンは災厄の正体こそ気になるものの、元の時代へ帰ることにはある程度納得している様子。またジーンの反発は、どちらかというと「現代に留まりたい」という思いよりも「大人たちへのカウンター」が大きいように思えました。反発したいという気持ちと現代に留まりたいという気持ちが合わさった結果、どちらも目的になりどちらも手段となっているのです。そんなジーンへの反応もまた様々でした。現代のサイクロプスは協力を申し出、キティらは膝をつけて話を聞こうとしました。一方強引に「説得」しようとするヒーローも多くいました。私たちがそうであったように、子どもは大人の思う以上に多くの物事を考えて行動しています。しかし見えている世界が狭いため誤った判断をしてしまうこともまた多いのです。4つのX-Menはそんな子どもと大人の関係を如実に表していました。反発するジーンをどう説得すべきだったのか? 悲惨な未来を直接見せることが正解だったのか? 守るべきは現代だけではないはず。過去のX-Menを子どもとして扱うならば、守る責任を負うのもまた大人の仕事なのです。