アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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AVENGERS(1998)#8〜#9

キャロルの脱退、スコードロンスプリームとの激闘など休む間もなく事件が続くアベンジャーズ。思えばアベンジャーズ再結成以来大きな事件に挑み続けてはいるものの、明るいニュースが少ないようにも思えました。さて、今回はそんな地球最強のヒーローチームに事件と吉報が同時にやってきます。新メンバーの追加です。
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〈あらすじ〉

アベンジャーズの執事として忙しなく働くジャービスは、久しぶりの休暇を満喫しようと南米チリへ向かっていた。しかしアベンジャーあるところに事件あり。なんと搭乗手続きの最中にテロリスト集団が空港を襲撃したのだ。さらに、敵軍を率いていたのはヒーローであるはずのシルバー・クロウだった。

 

〈黙示録の災厄〉

キャップは、珍しくも休暇を願い出たジャービスへ快く休日を与えました。どうやら南米チリに住む知り合いへ会いたいとのこと。ジャービスは早速空港まで足を向けました。一方キャップはアベンジャーズのみらいについて考えを巡らせていました。キャロルの脱退に続き、ソーもしばらくはプライベート優先で活動したいと申し出たのです。ソーもキャロルも当時のアベンジャーズの中では火力に優れたメンバーでした。また同じく火力に優れたアイアンマンも、当時はトニー・スタークのボディーガードとして知られていました。常にアベンジャーズの任務を最優先というわけにはいきません。新人のジャスティスとファイアースターはまだまだ経験不足。なにか抜本的な対策が必要な時かもしれません。そうして悩みながらも訓練に励むキャップの元へ、突如緊急通報が。なんと休暇中のジャービスから救援要請が来ていたのです。キャップはすぐさまメンバーを招集。急ぎジャービスのいる空港まで向かいます。
f:id:ELEKINGPIT:20220628124950j:image空港を襲撃したテロリストへ立ち向かうアベンジャーズ。地球最強のヒーローチームに雑兵相手なぞ赤子の手をひねるようだと思われたが……

 

驚くべきことに、アベンジャーズは一瞬で敵に捕まってしまいました。なんとテロリストは対アベンジャーズ用にエネルギーフィールドを準備していたのです。テロリストの首魁は、マグナム軍需産業を営むマグナム氏でした。アベンジャーズとの戦いで自社の兵器の有用性が示されれば、闇市場ではどれほど高く評価されるか想像もつきません。マグナムは試作品の振動砲と呼ばれる兵器の準備を始めさせました。なんと意図的に地震を引き寄せるという恐るべき大砲をこの場で使おうとしているのです。スカーレット・ウィッチのヘックス・パワーですら破れないエネルギーフィールドの中で、アベンジャーズは振動砲の発射を見守るしかできないのでしょうか? 絶体絶命のピンチを救ったのは、自らをトライアスロンと名乗る新ヒーローでした。アベンジャーズを包むエネルギーフィールド発生装置を破壊、目にも留まらぬスピードで次々と敵を倒していきます。アベンジャーズトライアスロンの活躍で、テロリスト集団はたまらず逃げ出しました。
f:id:ELEKINGPIT:20220629235455j:imageテロリスト集団相手に一人で立ち向かうトライアスロン。派手な登場で敵を翻弄し、堅実な作戦で追い詰めていく。

 

数日後、アベンジャーズはある作戦を始めていました。テロリストの首魁マグナムが、豪華客船エヴァンゲラインにいるという情報を手に入れ、潜入していたのです。情報元はあれ以来マグナムを追いかけていたトライアスロンから。共に命を賭けて戦った仲であるトライアスロンの頼みならばとアベンジャーズは急ぎ出動しました。真っ先にホークアイと合流したトライアスロンは、マグナムの秘密兵器をコッソリと確認します。なんとマグナムは振動砲のパワーを自らの肉体に取り込み、マグニチュードを我が身に宿そうとしていたのです。地震のエネルギーとはあまりにも膨大で強力なもの。それを一人の人間が宿せばアベンジャーズとてひとたまりもないでしょう。しかし時既に遅し。アベンジャーズ全員が駆けつけた頃にはマグナムの体に地震エネルギーが満ち満ちていました。
f:id:ELEKINGPIT:20220630002222j:imageアベンジャーズを圧倒するマグナム。アベンジャーズの切り札であるワンダーマンですら敵わないパワーを身に着けた。

 

〈アベンジャーの資格〉

前回、キャロルが脱退させられ、そして今回はトライアスロンやシルバー・クロウといったメンバーがチームと信頼関係を構築していました。シルバー・クロウに至ってはアベンジャーズの新メンバーとして迎えられるほど。パワーや経験では明らかにキャロルが上回っているのに、何故アベンジャーズはシルバー・クロウを選んだのでしょうか?

キャロルの主だった脱退理由は、独断専行の末に事態を悪化させたこと。連携プレイの欠如でした。チームでの協力ができないならば経験やパワーを問わず除名対象になるということでしょう。アベンジャーズは時に「違うことが最強」と言われることがあります。1人1人が強烈な個性を発揮し、全く違う人物同士が力を合わせることで最強となるのです。実際、いわゆるハイブリッド種(雑種)は純粋種に比べ疫病や怪我に強い場合が多いと言われています。例えば食用コーンや家畜などがそれに当てはまるでしょう。遺伝子が遠ければ遠いほど、互いに欠如している部分を補い合うことで生存力を高めようとしているのです。まさにアベンジャーズの強さの秘密、何より絆の強さと同じではないでしょうか? アベンジャーズが強くあり続けるにはチームワークが何よりも必要不可欠なのです。シルバー・クロウにはそれができ、キャロルにはそれができなかったというだけの違いなのです。しかしキャロルは未だ成長途中のキャラクター。アベンジャーズ除名という経験を経てさらなる飛躍を見せてくれることを期待しましょう。