アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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AVENGERS WORLD vol2 ASCENSION

世界中で起きた様々なトラブルに対処すべくアベンジャーズが動き始めた前回。ややスローペースな感は否めませんが、徐々に動き出す物語にワクワクする感覚が離れません。また今シリーズはインフィニティ後の世界を垣間見る貴重な1冊となっており、マーベルNOW!期のアベンジャーズに添えて読むとより楽しめること間違いなし。マーベルNOW!期アベンジャーズは日本語版も発売されていますので、是非そちらと併せて読んでみてください。
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前回はこちらelekingpit.hatenablog.com

 

日本語版関連コミック

 

〈あらすじ〉

世界各地で発生した「異常事態」に対応するアベンジャーズとSHIELD。進化しつつあるAIM島、無政府状態のマドリプール、住民が消滅したイタリア……それらは全て予想外の方向へ進展する。この世界は誰によって守られるのか?

 

〈歴史の日の出〉

攫われたスマッシャーを取り返すため、AIMの本拠地に乗り込んだアベンジャーズの「最高戦力」。早速AIMとの全面衝突が始まります。AIM島上空で繰り広げられる戦いの中、ハイペリオンはある装置に辿り着きました。それはかつて滅んだ並行世界から、ハイペリオンをこの世界に連れ出した装置です。ハイペリオンはAIMの手でこの世界に連れてこられたのです。呆然とするハイペリオンへAIMの最高科学者は語ります。ハイペリオンを連れてきたのは、武器としてでもなく、またその強さを目当てにしたわけでもありません。世界の終わりに居合わせたからです。世界の終わりを体験したからこそAIMの「地球を進化させる」という計画に賛同するはずだと。しかし実際の結果は違いました。今やハイペリオンアベンジャーズ最高戦力の1人。何よりも高潔な精神を持つハイペリオンはAIMの強引なやり方が許せませんでした。最高科学者はそれならば仕方ないといった風に、1人の刺客を差し向けます。それはかつてスマッシャーだった人物。今やAIMの「メッセンジャー」という戦士になった人物です。動揺するハイペリオンを瞬く間に島の外までブン投げ、またソーやキャプテン・マーベルをも圧倒してしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20220709223002j:imageソーもキャロルも倒した元スマッシャー。何故アベンジャーズを裏切ったのか?

 

同刻マドリプールで暴動鎮圧にあたるチームはシャンチーが潜入から帰ってこないことに気を揉んでいました。もしかしたらこの暴動を扇動するハンドに殺られたのでは……? 万が一の可能性も考慮し、ファルコンが捜索を始めます。ファルコンは上空で奇妙なドローンを発見しました。明らかに怪しげなドローンは、まるでマドリプール全体を監視しているよう。更にファルコンの存在に気づいた途端に逃げだしたではありませんか。何か事情を知っているに違いありません。ファルコンはドローンを尾行、すると雲の上の澄み渡った空に、巨大な空中基地が。ドローンは空中基地の中へ入っていきます。ファルコンは基地へ潜入しようと企みました。しかし予想外なことに、基地の人間はファルコンを歓迎ムードで迎えたではありませんか。これにはファルコンも驚きを隠せません。基地の司令官は満足そうにファルコンへ事情を話します。ここはSPEARの空中基地。SHIELDとは別の地球防衛組織です。SPEARは中国が独自に作り上げた防衛組織で、アベンジャーズやSHIELDに頼らない戦力を自国で所持しようとしていた様子。そのためSHIELDすらこの組織の存在を知らなかったのです。しかしマドリプールの暴動やSPEARの基地に迫り来るある怪物相手にはアベンジャーズの加勢が必要不可欠できた。そこでファルコンは、中国のヒーローチームと協力して怪物を倒すことに。
f:id:ELEKINGPIT:20220709231658j:imageファルコンと共に立ち向かう中国のヒーローチーム。その精神はアベンジャーズにも劣らない。

 

同じ頃、サンスポットとキャノンボールはSHIELDのヒル司令官から奇妙な仕事を依頼されていました。AIM島の進化など、いくら現代でもありえないほどの超科学を有するAIM。SHIELDは調査の結果、それが未来世界から手に入れた技術であると判明します。そこでヒル司令官は、サンスポットとキャノンボールを未来世界へ送り、AIMの技術リソースを潰そうと考えたのです。少し胸を踊らせながら2人は未来世界へ向かいます。どれほど先の未来でしょうか。技術はもちろん、生活様式も景色もすっかり変わっていました。しかもエイリアン種族は多く見かけるのに、人間はほとんど見かけません。酒屋の店主によれば、かつて第四次チタウリ戦争が勃発した際、地球は人間の数が減った代わりに、宇宙中の傭兵達が一時的な拠点として使われるようになったのだとか。そんな世界で本当に未来AIMが現代AIMへ技術提供しているのか? 疑問を覚えながらも、2人はひとまず協力者のジョカスタと合流しました。ジョカスタは、未来AIM壊滅の計画を一任されているアンドロイドです。そんなジョカスタは2人の様子にクスリとしている様子。何故ならジョカスタが協力を求めたのは、未来世界のヒーローチーム、ネクスト・アベンジャーズだからです。
f:id:ELEKINGPIT:20220710085948j:imageヒーロー二世で構成されるネクスト・アベンジャーズ。ジョカスタが信頼を置くほどの実力を持つ。

 

〈この世界は誰のもの?〉

今作は様々なヴィランが同時に動き出すという、少々ややこしい構成になっています。しかしその目的はほとんど同じ、世界征服です。今作に登場するヴィランは皆世界を自分のものにしようとしているのです。アベンジャーズが守る、アベンジャーズの世界を。ではアベンジャーズはどのようにこの世界を「アベンジャーズの世界」としたのでしょうか? それはインフィニティを見ての通り。宇宙中を脅威から守ったことで人々が自然とそう名付けたのです。しかし今作はインフィニティでサノスが地球を攻めた時の影響が少しだけ語られます。「もはやアベンジャーズには頼れない」と。宇宙の脅威から人々を守る間地球はほとんど無防備に近く(イルミナティが守ってはいましたが、他の目的に気を取られている節が散見されました)、サノスによる大被害を受けていたのです。ヴィランが同時に動き始めたのも、未だ癒えない傷を負っている間に世界征服を果たそうというものでしょう。人々が傷つき、一時は見放されたとまで考える者もいる中、この世界は誰のものとなるのでしょうか?