アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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WHAT IF THE AVENGERS WERE THE LAST SUPERHEROES ON EARTH?

私たちが想像もできないような世界を見せてくれるWHAT IF? シリーズ。今回は「もしもアベンジャーズが地球最後のヒーローだったら?」というお話です。言うまでもなく、マーベルユニバースには様々なヒーローやヴィランが暮らしています。だからこそ救えた人々がいて、だからこそ被害を受けた町があるでしょう。善悪問わず超人が社会に与えた影響は凄まじいはず。ではそんな超人達がいなくなれば……世界は平和になるのでしょうか?f:id:ELEKINGPIT:20220715093005j:image

 

〈あらすじ〉

アメリカ中から優秀なヒーローが団結し、新たに結成されたヒーローチームことアベンジャーズ。既に何度も死線をくぐり抜けているチームはある問題に直面する。この世界に住む超人の意義とは? 超人がいなくなれば、世界は平和になるのでは?

 

〈もしも世界が「普通」になれば〉

当時のアベンジャーズは、まだキャプテン・アメリカがメンバーに加わっていない、結成したての頃でした。しかしその正義の志は今と何ら遜色ありません。世界最強のヒーローチームとして何度も世界を救い、チームとの団結心も生まれつつある正に過渡期でしょう。そんなアベンジャーズに立ちはだかったのは、スカーレット・センチュリオンを名乗るヴィランでした。なんとこのヴィランは未来からやってきたと言うのです。そして今世紀にやってきたのはこの世界を「救済」するためだと。アベンジャーズのいるこの世界を救済とはどういう意味でしょうか? スカーレット・センチュリオンが訴えたのは超人の「危険性」でした。未来、超人たちはその力ゆえ戦争に発展、やがて大虐殺に繋がる言います。今自分たちが超人として力を振るうことが良くても、やがて子や孫の代に大きな「ツケ」を払うこととなるのです。核の応酬でも止まらない最悪の戦争を未来の世代に背負わせるのか? そうしないために「ヒーロー」が存在するのでは? スカーレット・センチュリオンの訴えはアベンジャーズの拳に大きな迷いをもたらしました。
f:id:ELEKINGPIT:20220715011001j:imageアベンジャーズに超人の危険を訴えるスカーレット・センチュリオン。未来の子供たちのため、アベンジャーズが取る選択は1つだった。

 

慎重に議論を重ねた結果、アベンジャーズが辿り着いた結論は、全ての超人を倒すことでした。そうすることで新たな脅威は生まれないと考えたのです。決断してから行動に移すまでそう時間はかかりませんでした。あるいは非情ともいえる決断に、覚悟がブレないうちに終わらせてしまおうと思ったのかもしれません。ともかくマーベルユニバースの超人たちは、善悪問わずあっという間に倒されてしまいました。やがて最後に立つアベンジャーズは、新たに超人が生まれた場合力を剥奪できるようにし、自身も超パワーを使わないためヒーローを引退します。世界からスーパーヒーローが消えて数日。ヒーロー稼業に追われることなく充実した日々を過ごすトニースタークは、どこか心にスッポリと穴が空いたような感覚を抱き続けていました。それはピム博士も、またはるか遠くの雷神も同様でした。そんなある日、トニーは上空から円盤が地上へ着陸する様を目撃。なんとそこにいたのはあのスカーレット・センチュリオンでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220715013810j:imageヒーロー引退を決意するトニー。全ては世界平和のため、そして何よりも未来のため。

 

全てはスカーレット・センチュリオンの計画通りでした。自らが開発した「思考停止光線」でアベンジャーズの思考力を奪い、その上で超人の有害性を説けば、あとはのびのびと自分が侵略するのみ。大部分はマヌケなアベンジャーズが片付けてくれるので、自分は仕上げをすれば良いだけなのです。そしてアベンジャーズすらいなくなった今こそが最大のチャンス。スカーレット・センチュリオンは行動を開始しました。誤算があるとすれば、その瞬間をトニーに見られてしまったことでしょう。アベンジャーズが解散した今、頼りになるのは己のみ。トニーは倉庫の奥にしまい込んだアーマーを取り出し、1人戦いを挑みます。するとどうでしょう。1人、また1人とアベンジャーズがやってきたではありませんか。トニー同様違和感を抱えたまま生活していたヒーローらが、全ての元凶を倒すために今一度団結したのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220715021258j:imageスカーレット・センチュリオンに強襲を仕掛けるアイアンマンとジャイアントマン。アベンジャーズ最後の戦いはこうして始まった。

 

〈ヒーローによる平和〉

今作では超人たちの存在によって平和が脅かされる、という話がスカーレット・センチュリオンから発されました。しかしそれが侵略のための方便だと分かれば少し安心感を覚える自分がいました。なぜなら、マーベルユニバースはヴィランとの戦いや宇宙人との戦いを何度も経験し、綱渡りのような奇跡で平和を保っているからです。それが1歩でも間違えば悲惨な結果となったことでしょう。またそうでなくとも、シビルウォーのような事件は何度も起きています。ヒーローへ復讐するためにヴィランが市民を犠牲にすることもあり、確かに超人の存在が平和を脅かしているという言説にも妙な説得力があったのです。世界平和を成し遂げるには超人のいない世界にするべきだったのでしょうか?

答えは我々の世界を見れば明白。この世界は平和でしょうか? この問いかけに大半の人はノーと答えるでしょう。戦争はもちろん、殺人放火強盗など凶悪犯罪が毎日必ずと言っていいほど起きています。そんな忌むべき犯罪を現行犯で止めることは稀です。どれだけ叫んでもヒーローが来ることはないのです。ヒーローの有無は平和と関係がないとまで言えるでしょう。ではどうすれば平和になるのでしょうか? ヒーローのいる世界では、それが市民とヒーローの協力によって成されるのではと考えています。市民とヒーローの相互協力により、ヴィランが犯罪を犯しにくい雰囲気を作るです。ヒーローだけでは平和を成し遂げることはできません。しかし私たちとヒーローが手をとりあえば、平和を成し遂げる可能性はあるかもしれません。