アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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HAWKEYE (2012) vol1 MY LIFE AS A WEAPON

弱きを助け悪と戦う。多くの超人が存在しているマーベルユニバースでは、正義のヒーローと極悪のヴィランが戦う光景は日常茶飯事となっています。しかしヒーローとて人間、四六時中戦い続ける訳にはいきません。本シリーズはホークアイの休日に焦点を当てた物語が展開されます。超人的な能力を持つわけでもなく、弓矢のみで戦ってきたホークアイ。超人と常人の狭間を生きるヒーローは、どのような毎日を過ごしているのでしょうか?
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日本語版コミック

 

〈あらすじ〉

スーパーパワーを持たないアベンジャー、ホークアイ。世界の平和と屋上の焼肉パーティーを守るため、今日も弓矢を携えニューヨークの下町を駆ける。ヤングアベンジャーのケイト・ビショップも巻き込み、2人のホークアイが巡るトラブルとは?

 

〈常人ヒーロー〉

クリントは、戦う度に死の危険を感じるほど過酷な戦いを続けていました。ある時は高層階の窓から車の天井まで落とされ、またある時はギャングに追いかけられ、全治数ヶ月の怪我を負う時さえありました。クリントは同じくホークアイを名乗るケイト・ビショップに協力を求めて、事件を解決する日々を送っていました。ある時は、数々のトリックアローを見分けるためにラベルを貼るか言い争ったことから発展した事件も。クールだけどどこか抜けている、詰めの甘いハードボイルドのようなホークアイコンビ。そんな2人は、ある日巨大な事件に巻き込まれることとなります。きっかけは下町の上空を飛ぶヘリキャリアでした。ケイトの目の前でSHIELD隊員に連れ去られるクリント。ヒル副司令官が極秘の任務を言い渡そうとしていたのです。それはホークアイに関する秘密データの入ったテープを取り戻すことでした。今や多くの電子データが存在する時代、それを狙ったサイバー犯罪も急増しているのが現状です。特にウルトロンやドクタードゥームのようなヴィランを相手に電子データを守りきることなど不可能に近いでしょう。そこでSHIELDは重要度の高い機密データをアナログな方法で保管するようにしていました。しかしその内の1つが流出、それをホークアイに取り戻してもらおうというのです。盗品の場所は東洋の魔窟とあだ名されるマドリプールのオークション会場。1番簡単な方法はテープを競り落とすことでしょう。SHIELDからカードを借りて早速マドリプールへと向かいます。しかし市街地へと出た途端、立て続けに起こった不運の連続でクリントはとうとうマダム・マスクの組織に拘束されてしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20230510003156j:image椅子に縛られるクリント。ここから凄絶な拷問が始まる予感……

 

何をしにここへ来たのか? マダム・マスクはクリントへ拷問を始めようとしていました。焦るクリント。なんとマダム・マスクが何かをする前に全てを喋ってしまったではありませんか。SHIELDの機密データが入ったカセットテープが競売に出されていること、そしてその内容も。マダム・マスクはほくそ笑みます。なぜなら機密データの中身がホークアイの殺人に関するデータだからです。SHIELDの任務だとしても、殺人を犯している証拠があるならばいくらでも利用方法はあるはず。マダム・マスクは足早にオークション会場へと向かいます。会場にはハンマーヘッドやキングピンなど名だたるマフィアのボスが鎮座していました。当然目当てのものは1つ。ホークアイの殺人を記録したテープです。競りが始まった途端あっという間に値が上がっていくカセットテープ。最終的に落札できたのは、マダム・マスクでした。ところがこのマダム・マスク、正体は助けに来たケイト・ビショップだったのです。本物のマダム・マスクは拘束されており、ケイトはまんまと全員を騙していたのでした。しかし本物のマダム・マスクが発見されてしまいます。どうにか拷問を免れたクリントとケイト、2人のホークアイがマドリプールの夜を駆けます。
f:id:ELEKINGPIT:20230510004657j:image敵のアジトから脱出する2人のホークアイ。2人の絶妙なコンビネーションなら、どんなピンチもチャンスに変わる?

 

〈スーパーパワーがなくとも〉

本作ではホークアイの日常を描くという作風もあってか、ホークアイがヒーローと同時に常人であることを何度も実感しました。多くのアベンジャーズは魔法や超人的な身体能力、放射能による超能力など、およそ常人とはかけ離れた能力を持っています。またそれがなくともトニー・スタークのように科学力などで超人と同等の力を獲得している例も。一方でホークアイは、絶対に的を外さない弓矢の能力という一見地味なもの。クリント自身石器時代と同じなどと自虐するほどです。しかしそんなクリントだからこそ出来ることがあります。常人に寄り添うことです。近隣の住民と対等に接し、ピンチを守ることが出来るのはホークアイだからこそ出来るのです。事件の中心がほとんど超人の中、常人に近いホークアイは最も被害を受けやすい一般人に1番近しい存在と言えるでしょう。ホークアイは何故ヒーローでアベンジャーなのか? それはホークアイにしかできない、一般人に近い視点を持っているからなのでしょう。