アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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MS.MARVEL (2006) vol3 OPERATION LIGHTNING STORM

ベストオブベストなヒーローとなることを目標に活動するキャロル。内戦では賛成派として戦い抜きましたが、今作ではさらなる飛躍を目指します。目指すべきゴールはどこにあるのか? 3つの短編が集まった今作で、キャロルは少しずつ成長を見せます。
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〈あらすじ〉

シビルウォーを勝ち抜いたキャロルは、ベストオブベストなヒーローを目指すためアベンジャーズのリーダーとなる。更にSHIELDの上級エージェントだけで構成されたチーム、オペレーションライトニングストームを率いることに。最高のヒーローへの道は開かれるのか?

 

〈重み〉

その日の夜、キャロルの家を訪ねたのはアーニャでした。キャロルの訓練生として戦う新米ヒーローのアーニャは、怪しい人物を見つけたといいます。傍らで倒れているのは、格好からAIMだと思われます。何があったのか? AIMと思われる人物は、キャロルへ助けを求めてきたというのです。ドゥームズデイマンが復活した。キャロルはその言葉にゾットします。ドゥームズデイマンは、かつてアベンジャーズをもノックアウトしたキャロルの宿敵です。クリーセントリーの技術を用いた強固なアーマーは、操縦者と生体接続することで頑強なパワーと俊敏さを獲得していました。どうにか倒して捕らえていたものの、その後AIMにより強奪されたよう。AIMはドゥームズデイマンの技術を盗み出そうと考えていたのです。ところが眠っていたはずのドゥームズデイマンが突如暴走、今に至るわけです。キャロルはアーニャと共に騒動のあったAIM基地へ駆けつけます。既に基地から黒煙が見えており、深刻な事態となっています。ドゥームズデイマンの恐ろしさを知るキャロルはアーニャを置いて単独で敵と戦うことに。ところが基地の内部へ侵入した途端、新たな問題が発生します。周囲をゾンビ軍団に囲まれたのです。どうやらゾンビは接触感染によって生きた人間が変異させられてしまうもの。触れてはならない大量のゾンビとドゥームズデイマンを同時に相手しなくてはなりません。更にキャロルのピンチを悟り駆けつけたアーニャが負傷。大ピンチに陥ってしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20240217094449j:imageピンチをチャンスに変えるため、フルパワーで戦うキャロル。獅子奮迅の活躍で、チャンスは訪れる。

 

数日後。キャロルは悩んでいました。ベストオブベストなヒーローになるにはまだ何かが足りない。アーニャの負傷に罪悪感を抱いていたキャロルは、自らへさらなる成長を促すため、トニーへある提案をします。一方トニーもあるアイデアを提案しようとしていました。内戦後事実上解散となったアベンジャーズの復活と、そのリーダーをキャロルへと託そうというのです。悪い話ではありません。まだまだ荷が重いようにも思えましたが、目標へ向け確実に前進できる道です。ところがキャロルは承諾する代わりに1つは条件を突きつけます。SHIELDの小隊を自身の指揮下に置いて欲しいというのです。アベンジャーズはいわば大槌。大事件化する前にスピーディに解決できる小隊が欲しいというのがキャロルの要望でした。編成する隊員はキャロルが指名するとのこと。トニーはこれを了承します。こうしてキャロルは、オペレーション・ライトニングストームを編成。ヘリキャリアの縮小版、ミニキャリアを拠点に活動を開始します。こうしてキャロルはベストオブベストなヒーローを目指して全身を試みるのでした。オペレーション・ライトニングストーム最初の任務は、ジュリア・カーペンターとその子どもの捜索です。シビルウォーにて引き裂かれた親子を、キャロルは自分の責任だと罪悪感を抱いていました。そのため、2人を捜索して何とか引き合わせようと考えていたのです。ジュリアはすぐに見つかりました。なんとアーニャを襲撃し、尋問しようとしていた様子。パニック状態のジュリアをひとまず昏睡させ、ミニキャリアで保護することにしました。目覚めたジュリアから話を聞くキャロル。ジュリアは真っ先に子どもを探そうと動きましたが、実家は既に売られており、足取りを掴めなかったようです。キャロルは話を聞き、オペレーション・ライトニングストームに総力をあげさせて探し出します。祖父母のカード使用歴などから居場所はすぐに割り出されます。すぐさま子どもを迎えに行くジュリア。しかし祖父母はそれを固く拒否しようとします。家を売ったのもジュリアから隠れるためだと。我が家に戦争を持ち込んだジュリアから子どもを守る。その言葉にジュリアはショックを受けます。それでも娘を守ると誓っていたジュリアは、子どもを連れて去ってしまいます。
f:id:ELEKINGPIT:20240217191256j:image子どもを抱え祖父母から逃げるジュリア。これが正しい選択なのか?

 

ジュリアを送り届けたライトニングストームの次なる任務は、AIMです。ドゥームズデイマンの暴走以来裏で暗躍し続けていたAIMですが、恐るべきものを作り出したことが判明します。DNA爆弾です。これを使えば被爆者は遺伝子を組み替えられてしまいます。絶対に使わせるわけにはいきません。更にAIMはモードックとモニカ・ラパチーニの2人を筆頭に内紛を起こしている様子。これでは判明していないだけで更に危険な兵器が使われてもおかしくはありません。ともかく、DNA爆弾はモードック派が作り出したようです。オペレーション・ライトニングストームはモードック派の基地を特定、すぐさま急行します。ところがそこにはモードックが。なんとモードックはワンダーマンへ洗脳波を放ち、洗脳してしまいました。その上ワンダーマンの洗脳を解く間、モードックやAIM兵を相手にしていたのはライトニングストームの面々。モニカ博士を捕らえる大戦果はあげたものの、被害も出てしまいます。その場は何とか凌ぐことに成功しますが、しばらく後にさらなる問題が発生。なんとニューヨークの真ん中にモードックがテレポートしてきたというのです。アイアンマンは、AIMを追跡していたキャロルへ事態の解決を要請します。キャロルはワンダーマンと共にすぐさま現場へ駆けつけました。ところがその時には既に手遅れだったようです。敵はDNA爆弾を起爆させようとしていたのです。
f:id:ELEKINGPIT:20240217193814j:imageDNA爆弾により遺伝子が変異し始めるキャロル。敵を取り逃し、大きな被害がでてしまう。

 

〈最高なヒーローとは?〉

皆さんは、ベストオブベストなヒーローと呼ばれてどのようなヒーロー像を思い浮かべるでしょうか? このような問いを答えられる人間は、ヒーローオタクやヒーローの住む世界の住民でもそう多くはないでしょう。それはキャロルも同様です。本作にて指摘されたのは、ベストオブベストを目指すキャロルにゴールが設定されていないことでした。キャロルはベストオブベストに強いこだわりを見せていますが、そもそも目標が設定されていないため迷走しているのです。その結果がジュリアへの対応であり、AIMとの対決でした。罪悪感を抱いていたからとジュリアを助け出すのは一見正しい行いのように見えるでしょう。しかしジュリアの側に立つと、子どもと引き離され刑務所へ囚えたその人が、申し訳ないからと協力するのは傲慢でしかないでしょう。人生を破壊されるまで振り回されたのですから、不満を抱くなという方が無理な話です。またAIMどの戦いでも、キャロルはその場での対応が精一杯でライトニングストームを守ることができていませんでした。この戦いで1人が死亡、1人は能力を失う結果となりました。これもトニーやキャップなら同じミスはしなかったように思えます。ベストオブベストにはまだまだ未熟なキャロル。そんなキャロルが成長し、更に強くなった姿をも期待したいです。