アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

MENU

IRON MAN ARMOR WARS Ⅱ後編(#263〜#266)

リビングレーザーとの戦いから始まったArmor wars Ⅱは、何者かにトニーが操られていることが発覚する不穏な展開が繰り広げられました。一方でその中にはトニーの成長が垣間見える場面も。しかしだからこそより高い壁が待ち受けているのです。名作Armor wars Ⅱの行方を追っていきましょう。
f:id:ELEKINGPIT:20240306121053j:image

 

関連記事elekingpit.hatenablog.comelekingpit.hatenablog.com

 

〈あらすじ〉

内なる敵に気がついたトニーは、その対策と逆襲に乗り出す。まだ見ぬ黒幕の正体とは? 激突するリパルサーブラストとアトミックブラスト。全てに決着をつける時が来た! 一方マンダリンは中国全土を支配すべく動き出していた。

 

〈戦争〉

体が何者かに操られる事に気づいたトニーは、パワードスーツを着用し脳波コントロールすることにしました。何者かの操作をこうして逃れることができたのです。では何者が行っているのか? 簡易的な調査では何もわかりません。パワードスーツを脱いでは活動できない以上、公共の場に出るわけにはいかないでしょう。しかし当時のスターク・エンタープライズストライキが起こっており、CEOとして公共の場に出なくてはなりません。一時的な措置としてローディがトニーの姿に変装、声明を発表します。ところがこれにストライキの参加者は激怒。問題は解決されたと発表されましたが、ストライキはまだ終わっていないのです。ストライキの参加者は直接トニーに説明してもらうため、スターク社へ押し寄せます。しかしトニーは公共の場へ出ることができません。ローディがその場を収めようとしますが、既にストライキは暴徒化。これを収めるためにアイアンマンが出動する事態となりました。ところがアイアンマンは突然機能停止したかのようにピクリとも動かなくなったではありませんか。暴徒化したストライキがアイアンマンを殴りつけますが、ローディが1番に駆けつけトニーの秘密ラボまで回収します。ここはあらゆる電波を受け付けない場所なため、敵がトニーの体を操る事もできないでしょう。ここでローディはパワードスーツを脱がします。予想通りトニーは自由に体を動かせるようになりました。逆説的に何者かがトニーを遠隔で操ろうとしていることが確定したと言っていいでしょう。トニーは自らの体を改めて調べ始めます。トニーには心当たりがあったのです。元パートナーのケイシーに撃たれたトニーは半身不随の怪我を負います。それを治すため、ダメージを受けた脊髄へバイオマイクロチップを埋め込んだのです。このバイオマイクロチップがすり替わったかハッキングされた可能性があるのです。トニーの予想は的中していました。マイクロチップから遠隔で信号が発されていることを発見。この信号の発信源にいる人物が今回の黒幕です。
f:id:ELEKINGPIT:20240306180027j:image自らのバイオマイクロチップを調査するトニー。黒幕はそこに潜んでいた。

 

信号の発信源は、マーズ・コーポレーションと呼ばれる会社からでした。マーズ・コーポレーションといえばスターク社に売上を抜かれたと報じられた企業ではありませんか。ともかくトニーはマーズ・コーポレーションへ向かいます。アイアンマンの登場を予測していたかのように、そこには巨大なアーマーが鎮座していました。アイアンマンより2回りほど大きなこのアーマーは、スピードも出力もアイアンマンのそれを上回っています。間違いなくアイアンマンを倒すために作られたのでしょう。敵アーマー必殺のアトミックブラストはアイアンマンを吹き飛ばすほどの威力。アイアンマンは勝てるのでしょうか?戦いの場は地上から始まり、空中へ舞台が移りました。鋼鉄の拳が激しくぶつかり合います。アイアンマンは一瞬の隙を狙って敵アーマーのカメラへ攻撃しますが、それでもわずかに怯む程度です。アイアンマンは経験からくる戦略で、敵はアーマーからくる莫大な出力で戦います。戦況はアイアンマンがやや有利と思われていました。しかし圧倒的なパワーを前にじわじわと追い詰められてしまいます。戦略で上に立ってもパワーで勝てなければ意味がないのです。どんどんと追い詰められるアイアンマン。このままでは負けてしまうのは明白でしょう。その時です。空から現れたのはもう1人のアイアンマンでした。ローディです。かつてアイアンマンとしてトニーの代わりに戦ったローディが助人として現れたのです。
f:id:ELEKINGPIT:20240306205820j:imageかけつけるローディ。劣勢が一気に覆る瞬間だった。

 

同じ頃、マンダリンは中国南東部の山脈を訪れていました。隣りにいる老人は、チェン・スーと呼ばれています。マンダリンは10の指輪の能力を使うアイアンマンの宿敵です。そんなマンダリンの指輪を偽物とすり替え、自身に会うよう仕向けたチェン・スーはマンダリンをある秘境へ案内していました。岩肌しか見せない寂しげな山脈の奥。そこには巨大な門がどっしりと構えています。門の向こう側には何があるのでしょうか? そこにはマンダリンさえ驚く生物がいました。龍です。古代より伝わる伝説の龍が眠っていたのです。古代の言葉ゆえ現代では発音さえ難しい名前ですが、あえて文字に起こすなら「フィン・ファン・フーム」と呼ばれたドラゴンです。フィン・ファン・フームの覚醒はそれだけで大地震を引き起こしました。火を吐き、山を蹴り崩す姿は正に伝説の龍そのものです。付近に住む人々は悲鳴を上げるうちに全員殺されてしまいました。そして更に、駆けつけた中国軍を、なんと寝起きの戯れだけで全滅させたではありませんか。銃ではフィン・ファン・フームを傷つけることさえできないのです。この絶大な力にはマンダリンも大満足。この力があれば自らの野望を叶えることさえ容易にできるでしょう。手始めに、マンダリンはフィン・ファン・フームの力を背景に中国全土の3分の1を支配して見せました。しかしこの程度で終わるマンダリンではありません。マンダリンは中国政府へ脅迫してみます。中国全土をマンダリンに支配させなければ、フィン・ファン・フームが焼き払うと。
f:id:ELEKINGPIT:20240306212456j:image中国政府へ脅してみせるマンダリン。アイアンマンの戦いの裏で、中国は危機的状況に陥っていた。

 

〈トニーとアーマー〉

本作は、「アーマーウォーズ」という名前のイベントでした。アーマーウォーズといえば、かつてトニーが盗まれたパワードスーツの技術を巡って暴走してしまったイベントと同じ名前です。何故かつてのイベントと同じ名前にする必要があったのでしょうか?

本作のメインはトニーの体が遠隔操作されるストーリーにあります。それをパワードスーツを着用することで防いでいたのです。敵はトニーを操ろうとし、トニーはそれをパワードスーツを介して逃れます。つまり第1次アーマーウォーズと同様にパワードスーツが今作の鍵となっているのです。そして以前のアーマーウォーズと同じタイトルにすることによって、トニーのアイアンマンとしての成長も描いていたように思えます。トニーは第1次アーマーウォーズにて、盗まれたパワードスーツ技術を取り返すために暴走してしまいました。それはキャップを背後から攻撃するほどで、周りが見えていないようにも思えるほどでした。しかし今作では、自身の体が操られている事に気づいたのは自らを省みた結果だからこそです。自他ともに認めるほど暴走していた第1次アーマーウォーズと比べて、自身を振り返る余裕が生まれているのです。この成長こそがトニー・スタークの魅力なのでしょう。