アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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STAR WARS PURGE SECOND TO DIE

今回もEP3シスの復讐直後を描いたレジェンズ作品を紹介したいと思います。シスの復讐で描かれたダース・ベイダーの誕生。様々な事情が複雑に絡み合った結果とはいえダークサイドに落ちてしまったアナキンですが、クローン戦争とジェダイ虐殺の結果暗黒面の誘惑に抗えなかったジェダイ他にもいました。全てを失ったジェダイの末路とは? 今回はそんなお話です。
f:id:ELEKINGPIT:20220210152845j:imageSTAR WARS PURGE SECOND TO DIE

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〈あらすじ〉

遠い昔、はるかかなたの銀河系で……

ジェダイに死ぬ時が来た。ドゥークー伯爵の死で共和国に戦勝ムードが漂う中、元老院最高議長パルパティーンからオーダー66が発令される。ジェダイを一人残らず抹殺するのだ。

トルーパーの攻撃を受けながら、シャ・クーンは恐るべき光景を目にする。クローン戦争の英雄アナキン・スカイウォーカーの襲撃だ。

師が死んだ。仲間も死んだ。英雄に殺された。これまでにない大いなる喪失を経験したジェダイが生き残る術は1つしかない。暗黒面の誘惑がシャ・クーンに忍び寄る……

 

ジェダイの復讐〉

シャ・クーンはジェダイ評議会にも名を連ねるプロ・クーンの親戚で、自身も強力なフォースを身に宿す期待の新人でした。評議会の期待通りフォースの腕と剣術もメキメキと上達、パダワン(弟子)を持つまでそう時間はかかりませんでした。しかしそのタイミングでクローン戦争が勃発。激しい戦闘に何度も身を置くような生活が始まります。さらに戦争も終盤に差し掛かる頃、パダワンが死亡してしまいます。心に大きな怪我を負ったシャ・クーンはプロ・クーンの指令で戦場を離れました。敵の首魁であるドゥークー伯爵の死によって謎に包まれたもう1人のシスの暗黒卿の正体を探るためです。オーダー66が発令されたのはそんな時でした。
f:id:ELEKINGPIT:20220210170239j:image突如クローン・トルーパーから攻撃を受けるシャ・クーン。心に開いた穴へ裏切りが流れ込む。

 

逃げ惑うシャ・クーンはフォースで偉大なるジェダイ達の死を直感していました。その中にはプロ・クーンも含まれます。さらに恐ろしいことにヤングリング(パダワンになる前、フォースやライトセイバーの基礎的な使い方を学ぶ子どもたち)の死を実感します。それもアナキン・スカイウォーカーの手によって。スカイウォーカーといえば選ばれし者として亡きクワイ=ガン・ジンに見出され、最近ではグリーヴァス将軍の不沈艦撃墜、ドゥークー伯爵の討伐、パルパティーン最高議長の救出を一度にやってのけた戦争の英雄のはず。溢れんばかりのフォースは全て暗く冷たいもの。どうやらスカイウォーカーは暗黒面の誘惑に勝てなかったようです。シャ・クーンは命からがら逃亡しました。アナキンと戦って勝てる見込みなどあるはずがなかったのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220211011321j:imageシャ・クーンが目撃したアナキン。そのフォースは冷酷で残忍なものだった。

 

どうにか逃げ切ったシャ・クーン。これまでの流れから恐らくジェダイオーダーは壊滅したのでしょう。孤立したシャ・クーンは自然と通信機へ手を伸ばしていました。相手はパルパティーンジェダイオーダーは壊滅の黒幕であり、今やシスの暗黒卿として有名な人物です。シャ・クーンは生き延びる術を求めていました。安全に生き延びれるなら……? シスを学びたいというセリフにはそんな思いが根底にあったはずです。皇帝としても歓迎したいところですが、シスは掟により2人までしか存在できません。そのため皇帝はベイダーとシャ・クーンで決闘することで生き残った方を改めて弟子にすることとしました。シャ・クーンはこれが自分の生き残れる唯一の道だと信じて刃をベイダーへ向けます。
f:id:ELEKINGPIT:20220211022636j:imageあらゆる手段を尽くしても勝てなかったシャ・クーン。これも皇帝の計画通り。

 

〈死の寸前〉

自分の将来に絶望し暗黒面へ近づいたシャ・クーン。今作はベイダーと戦うシャ・クーンが死を覚悟し、それまでの人生を回想するという形式で物語が進められました。そこで描かれたのは、パダワンや師匠の死、裏切り、そして絶望。シャ・クーンが暗黒面に落ちてしまうには十分すぎる経験が何度もありました。しかしベイダーは死に際のシャ・クーンのフォースが希望に溢れていたことをフォースで察知します。シャ・クーンは何故最後の最後に希望を抱けたのでしょうか?

自分が最後のジェダイと考えていたシャ・クーンはベイダーとの戦いで自分の置かれた状況に深い絶望を覚えます。しかし死に際、シャ・クーンのフォースが暴走したのでしょうか、銀河の未来を垣間見ます。そこにはアナキンの息子ルークが英雄になること、そしてルークがジェダイオーダーを復活させる姿が。これを見たシャ・クーンは晴れやかに死を迎えます。

ここで見えたのは、シャ・クーンが何を大切にしていたかということです。シャ・クーンにとって銀河の平和はたしかに気がかりなことでしたが、最も重要だったのはジェダイオーダーの行く末でした。親戚が評議会に名を連ねる実力者で、自身も幼い頃から所属していたジェダイオーダーはシャ・クーンにとって家も同然だったのでしょう。実際シャ・クーンが深い絶望を抱いたのはジェダイオーダーの壊滅でした。生きるために暗黒面すら受け入れようとするほど深く絶望していたシャ・クーン。執着の心はジェダイの掟で禁止されていますが、帰る家を失い絶望に追いやられたまま死んだジェダイも多かったのではないでしょうか。