アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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IRON MAN #193〜#194

崩壊しかけたローディとの絆を取り戻した前回。拳を混じえてでも親友の善性に訴えかけたトニーでしたが、暴走するローディを止めるためにアーマーを着用して説得していました。もう戻るつもりは無いと誓ったアイアンマンへの道に戻りつつあるのです。
f:id:ELEKINGPIT:20220415230052j:imageIRON MAN #193

 

前回はこちらelekingpit.hatenablog.com

関連記事elekingpit.hatenablog.com

 

〈あらすじ〉

アーマーを脱ぐことで敵意がないことを示し、和解したトニーとローディ。再び強力タッグを組んだ2人は、ローディの悩みの種だった頭痛の対処に当たることに。だが一方、ウエストコーストアベンジャーズにはかつてない危機が迫っていた。チームを救うにはトニースタークの力を借りるしかないが……

 

〈オリジナル・アイアンマン〉

決死の説得で和解に至ったトニーとローディですが、ローディは既にアイアンマンを続けられないほどダメージを負っていました。というのも、ローディはアーマーの着用中に激しい頭痛に苛まれていたのです。当初はヘルメットに内蔵された脳波の受信機がトニー用に調整されていたことかと思われましたが、ローディ用に改造しても一向に良くならないばかりか、より悪化してしまいました。これではアイアンマンとして戦うどころではありません。トニーはローディへ、ピム博士に見てもらうように助言します。そして自身は戦えなくなったローディに代わり、ウエストコーストアベンジャーズへ休暇の報せを届けに向かいます。ウエストコーストアベンジャーズに緊急連絡が入ったのはその時です。なんとタイグラが巨大な恐竜に追われていると言うではありませんか。ローディが戦えないのならとトニーへ協力を持ちかけるホークアイ。しかしトニーは、トラウマのようにこびり付いたアルコール依存症の恐怖から断ってしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20220415234244j:image相棒の信頼を失い、会社を失い、財産を失い……同じ失敗を繰り返したくはないと、トニーはアイアンマンになることを拒絶する。

 

頑なにアイアンマンとして戦うことを拒否するトニーを見て、ホークアイは諦めたように出動します。とはいえ今のウエストコーストアベンジャーズでは巨大な恐竜に踏み潰されてしまう可能性も。トニーは1人静かになった基地で、シンと立ち尽くしていました。自分がアルコール依存症となって、多くの人々を傷つけてしまった。だから2度とアーマーを着ないと誓った。しかし今、アーマーを着なければ信頼する仲間達が傷ついてしまうだろう。トニーは迷宮に迷い込んだかのように悩み続けます。もし再びアーマーを着ることになれば、終わることの無いアルコール依存症との戦いが始まることでしょう。そしてもう1度負けてしまえば、今度はより多くの人々を傷つけてしまうかもしれない。何より、多くのものを失ってしまうかもしれない。しかし……トニーはクインジェットに乗り込みます。それでもヒーローに戻らない道を探しながら。現場ではトニーの予想通りホークアイらが苦戦していました。いくら経験豊富なヒーローといっても、身体能力が鍛え研ぎ澄まされた一般人と大きな差はないようなものです。絶対に勝ち目のない戦いに挑むホークアイ達の姿に、トニーは深い驚嘆を捧げます。そしてヘルメットを被り、ついにその時がやってきました。
f:id:ELEKINGPIT:20220416001916j:imageホークアイに代わり巨大な恐竜と戦うトニー。鉄の闘志にようやく火がついた。

 

〈アイアンマン(仮)〉

再びアイアンマンとして立ち上がる決意を固めたトニー。思えば初めてアーマーを着用した時も、インセン教授を守り、共にジャングルから脱するためでした。トニーが戦う時は常に誰かを守るためなのです。しかし、前回も同様一時的にアーマーを着用しただけなのでは? と疑念をよぎらせてしまう自分もいます。今のトニーはアイアンマン(仮)のような状態。ローディが帰ってくるまでの代打でしかないのでは?

本作ではそれをキッパリと否定するシーンがありました。それは、燃料不足で海中に落ちてしまった場面です。トニーは巨大な恐竜と戦った後、無人島まで恐竜を運ぼうとします。しかし途中燃料不足で墜落、溺れ死にそうになってしまいました。そこでトニーは100キロ近いアーマーを全て脱ぎ捨て、泳ぐことで生還します。トニーにとって、このアーマーはいわば「保険」でした。どこかで感じていた、いつかはアイアンマンにならなければならないであろうという義務感を慰め、ローディのアーマーの半分以下の性能にすることで、決してアイアンマンにはなれない、いわば中途半端なアーマーです。しかしトニーはそれを脱ぎ捨てました。最早トニーにとって必要ないものとなったのです。引退前から構想されていた新アーマーが完成するまでは、それまでのアーマーを着ることでしょう。しかしそのアーマーは「保険」ではありません。トニーはようやくアイアンマンとして復活したのです。