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MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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TALES OF SUSPENSE #57

最強のアベンジャーは誰か? という問いには、ソーやハルク等多くの名前が挙がるでしょう。しかしその逆、最弱のアベンジャーは多くの人がホークアイと答えるのでは無いでしょうか? 同じスーパーパワーを持たないブラック・ウィドウよりも身体能力は劣っており、唯一の武器は時代遅れな弓矢のみ。しかし多くの人が、ホークアイの強さも知っているはず。今回はそんなホークアイが初登場する、TALES OF SUSPENSE #57を紹介したいと思います。元はヴィランとして登場したホークアイですが、その魅力は現代にも通じるものがあるはず。誰にも負けないホークアイの強さと共に探っていきたいと思います。
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〈あらすじ〉

ペッパーと遊戯団を見に行くことにしたトニー。そこで目にしたのは、百発百中で的のど真ん中を射抜く弓矢の名手だった。達人の名はホークアイ。アイアンマンの姿からヒーローを目指そうとするが、その能力に目をつけたのは赤き思想を燃やすスパイだった……

 

〈放て必殺!〉

たまの休暇をペッパーと出かけることにしたトニー。アイアンマンとして活動する傍ら、どうしてもトニー・スタークという人間を蔑ろにしてしまうトニーにはいい休日となったでしょう。そこで目撃したのは、百発百中で的を射抜く弓矢の達人。観衆はその驚くべき技術に大盛りで、トニーも感嘆の声を上げるほどでした。ところが付近の観覧車で機材トラブルが。すぐさまアイアンマンが駆けつけ難を逃れますが、観衆はゴールデンアベンジャーの姿に大興奮。達人が浴びていた歓声は丸ごとアイアンマンに奪われてしまいました。誰もがヒーローの登場に喜ぶ中、ただ1人嫉妬の炎を燃やしていたのは弓矢の達人ホークアイ。そちらが観衆の注目を一瞬で集めるならば、こちらも同じ手を使うまで。ホークアイはみずからコスチュームを製作し、ヒーローとして自警活動を始めます。
f:id:ELEKINGPIT:20220814210333j:image自作したコスチュームを着用するホークアイ。派手なコスチュームと百発百中の腕があればもう誰も目を離さないだろう。

 

早速宝石泥棒を捕まえようとしますが、犯人には逃げられ警察には仲間だと疑われ……思ったようにうまくはいきません。意気消沈気味のホークアイですが、警察から追われるピンチを助けたのはなんとブラック・ウィドウでした。ホークアイの腕に目をつけ、仲間に引き込もうと企んだのです。ウィドウの美貌に胸を奪われたホークアイは、呆気なくウィドウと共に打倒アイアンマンを目指すことに。ただの弓矢では鋼鉄の鎧を貫けないのは百も承知。ホークアイは秘策を矢に込めてスターク社へ向かいます。素早い身のこなしで警備を抜けると、破裂矢でスターク社を攻撃、アイアンマンを誘き寄せることに成功しました。あとはウィドウと共に作った秘密の矢で射るのみ。滑車と縄の矢でスイングし、鋼鉄をも錆びさせる矢で動きを封じ、必殺の爆発矢を放てば……一方アイアンマンも負けてません。磁気性リパルサーで敵の矢を寄せ付けず、超パワーで一気にノックアウトしてしまえば……両者の一進一退の攻防はそう長く続きませんでした。
f:id:ELEKINGPIT:20220815024047j:image隙を見せたアイアンマンへ必殺の矢を放とうとするホークアイ。圧倒的と思われていたアイアンマンとの差は、知恵と腕で埋められていた。

 

〈アイアンマンとホークアイ

初期アイアンマンのヴィランは、どれも「技術」によって確立されているということは何度もお話させていただきました。マンダリンしかり、クリムゾン・ダイナモやブラック・ウィドウもその例に漏れません。そしてそれはホークアイも同様でした。精確無比な腕前だけでアイアンマンと渡り合うのですから、それまでと比べても最も意外性のあるヴィランと言えるかもしれません。科学技術によって生き長らえ多くの人々を救うアイアンマンと、必中の技術を持ちながらヴィランとなってしまったホークアイ。今作ではそれ以外にも様々な対比がなされていました。どのページをめくっても違う人物であると強調されるアイアンマンとホークアイ。しかし後の時代を見れば、同じ生身の人間であり、己の技術のみで戦うアベンジャーズという共通点も見いだせます。なぜ2人は長年にわたりアベンジャーズとして戦い続けることができたのでしょうか? 今作から見いだせるのは、「勇気」だと言えるでしょう。当初ヒーローとして活動しようとしていたホークアイですが、警察に追われ、ブラック・ウィドウに助けられることでヴィランとなってしまいました。一方アイアンマンも初めて戦った時や初めてヒーロー活動をした時は人々に恐れられていました。それでもヒーロー活動を続けたアイアンマンと、1度は諦めてしまったホークアイ。後にホークアイもアイアンマン同様ヒーロー活動を続けるのですが、当時は足りなかったのがこの勇気だったのではないでしょうか?