アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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STAR WARS vol4 LAST FLIGHT OF THE HARBINGER

着々と戦果を上げつつある反乱軍を描いた本シリーズ。反乱軍の活躍に期待が止まらない中、今作では物語に新たな軸が追加されます。ライバルの登場です。ルークの前に現れた最強のストームトルーパーの正体とは? 常に反撃のチャンスを窺う反乱軍を脅かす無双の一兵卒とルークの対決が始まります。
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〈あらすじ〉

遠い昔、はるかかなたの銀河系で……

帝国に試練の時が来た。銀河中に蔓延る反乱軍を鎮圧せねばならないのだ。

この重要な局面に、最強のストームトルーパー部隊が登場する。戦闘力、スキル、忠誠心。全てにおいて他を圧倒する特殊部隊、タスクフォース99である。

勇敢なるルーク・スカイウォーカーとその仲間たちは思い知る。帝国の怒りと憎しみ、銀河を縛りあげた恐るべき力を……

 

〈帝国の拳〉

黒ばかりが広がる宇宙、しかしある場所では放火とブラスター音が響き渡っていました。スターデストロイヤーとレッド小隊の戦闘が行われていたのです。精鋭揃いのレッド小隊とハン、ルークの神がかり的な活躍で戦いは反乱軍有利に進んでいるようです。シールドも突破し、メインリアクターへ放火を浴びせてしまえば撃沈することさえ出来るでしょう。その時ルークはある策を思いついていました。なんとXウィングをスターデストロイヤーのリアクター孔へ突っ込んだではありませんか。味方さえも戸惑う行動。ルークの乗るXウィングから応答も途絶え、戦死したとさえ考えた者もいました。しかししばらくすると、スターデストロイヤーからルークの声で通信が入ります。ルークはスターデストロイヤーを内部から直接乗っ取ったのです。この大戦果に、上層部さえ目を丸くするほどでした。当然それが事実ならば活用しない手はありません。アクバー提督らは、ルークらに次の司令を言い渡します。とある惑星の救出です。反乱軍への支援を続けていたその惑星は、帝国軍に目をつけられ包囲網を築かれていました。そのためあらゆる物資が惑星外から届けられなくなり、住民は飢餓に危機に立たされているのだとか。反乱軍は帝国の包囲網を突破し、物資を届ける方法を思案していました。惑星を囲む2つの衛星には帝国軍の基地が建設され、反乱軍の宇宙戦艦であろうとひとたまりもないでしょう。しかしもしスターデストロイヤーならば、チャンスは少なからずあるでしょう。スターデストロイヤーによる突破作戦は、すぐさま実行されました。
f:id:ELEKINGPIT:20230524014934j:image衛星に配備された大量のTIEファイター。しかしスターデストロイヤーならばこの包囲網さえ突破しうるのだ。

 

一方帝国軍もスターデストロイヤーを奪われて黙っているわけにはいきません。ダース・ベイダー直属の特殊部隊タスクフォース99、通称スカー部隊の派遣を決定します。スカー部隊はあらゆる分野でのスペシャリストが集まった、帝国軍でも精鋭中の精鋭部隊です。スカー部隊だけでいくつも反乱軍の基地を制圧しているほどで、反乱軍の上層部がその存在を未だ認識できていないことがその優秀さを物語っているでしょう。奪われたスターデストロイヤーへも誰にも気付かれず侵入し、レイア姫らが認知する間もなく制圧行動へ移ります。ルークらが気付いたのは幸運中の幸運だったかも知れません。ルークはスカー部隊でも最も白兵戦に長けた隊長、クリール軍曹と1対1の勝負に持ち込みます。ライトセイバーとフォースがあればブラスター相手に有利に立ち回れるでしょう。しかしルークの予想は意外な形で裏切られます。目の前のストームトルーパー、クリール軍曹が使う武器はライトセイバーなのです。更に悪いことに、剣技の実力はルークを凌ぐほどの勢い。自信のあったルークは瞬く間に不利となってしまいます。
f:id:ELEKINGPIT:20230524022155j:image相対するクリール軍曹とルーク。ぶつかり合うライトセイバーの間には簡単に埋まらない差があった。

 

フォースを使用しない剣技に苦戦するルーク。一方クリール軍曹は、1度ナーシャッダで戦ったと言います。クリール軍曹はかつてジェダイの遺品を収集するグラッカス・ハットの元で、ゲームマスターとして仕えていたのです。その時はルークが手も足も出ない強敵でした。あれ以来の成長に感心しているようにも思える口ぶり。逆に言えば、それほどの余裕が残っているようです。そんなクリール軍曹にも一瞬の隙が生じます。ベイダー卿からの通信です。スターデストロイヤー撃墜のため、ベイダー卿も向かっているとの事でした。凶悪なフォースでルークの存在も感知しているようで、クリール軍曹へ生け捕りを厳命します。ベイダー卿に信頼されているクリール軍曹は、その命令にも体を緊張させるほどの大きな隙は見せません。しかしその瞬間だけは全ての集中をルークに向けなかったのも確か。ルークは咄嗟にフォースでクリール軍曹を吹き飛ばし、瓦礫で身動きを取れなくさせます。他のスカー部隊員も敗走し、スターデストロイヤーの撃墜には成功しましたが作戦は事実上失敗してしまいました。
f:id:ELEKINGPIT:20230524024825j:imageクリール軍曹を吹き飛ばしたルーク。最後のジェダイとして、着実に成長し続けている。

 

〈最強のストームトルーパー〉

今作で事実上初登場したクリール軍曹。最強のストームトルーパーとしてベイダー卿からの信頼は厚く、タスクフォース99も全員に専用の装備が支給されているほどです。そんなクリール軍曹は、銀河内戦において重要な帝国軍側の視点をもたらした人物でもあるでしょう。これまで皇帝やダース・ベイダーの視点は少なからず描かれてきましたが、それらは帝国軍というよりシスの視点と言った方が近いでしょう。最強のストームトルーパーにとって、自らが忠誠を誓う帝国軍とはどのような存在なのでしょうか? それを考えるにはまずクリール軍曹の過去を知る必要があります。クリール軍曹は帝国黎明期に剣闘士の家系に生まれました。剣闘士といっても死を見世物にされる、自由のない奴隷同然の身分。両親の死を4歳までに体験し、既に人生に絶望していたほどです。そんな運命を救ったのは帝国軍でした。違法なコロシアムを取り締まり、幼き日のクリールへ自由を与えたのでした。クリールが帝国軍、そしてストームトルーパーへ憧れるのは必然だったのでしょう。帝国軍がもたらすのは法の下の自由、自律のための規律であり、秩序のためのルールであると解釈していました。それを乱す反乱軍は正しく混沌をもたらす存在、テロリスト集団に他なりません。ゲームマスターとしてグラッカスへ仕えていたのもスパイ活動のため。クリールは帝国軍へ心の底から忠誠を誓っていたのです。そのためベイダー卿にも恐れを抱いておらず、純粋な忠誠心で命令に従っています。これは辺境の惑星で静かに過ごしていたルークと対照的と言えるでしょう。クリールにとって帝国とは自由と秩序の象徴なのです。