アメコミを読みたいらいとか

MARVELやSTAR WARSなどのアメコミを、ネタバレ有りで感想を書くブログです。更新頻度は気分次第。他にも読みたいものを気まぐれに

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NOVA(2013) vol4 ORIGINAL SIN

幼いながら既に何度も死線を超えてきたサム。ゆっくりと成長するティーンヒーローですが、マーベルユニバースの荒波には抗えません。今作はサムが友と慕うウォッチャーの死を描くオリジナルシンのタイイン(サブストーリー)です。ウォッチャーの死と秘められた真実。それは父探しの旅を大きく前進させることになりました。
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日本語版関連コミック

 

 

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〈あらすじ〉

ウォッチャーが殺された! 全知全能の観測者が抱えていた秘密が暴露されようとしている。サムが見た真実は、探し続けていた父ジェシーの過去と手がかりだった。

 

〈黒いノヴァ〉

ヒーロー活動にも慣れが見えてきたサム。一方父が行方不明のアレクサンダー家は次第に貧しくなってしまい、とうとう引越しを余儀なくされるほどでした。母1人では激務をこなしても育ち盛りの子ども2人を育てるのは難しいのです。生活苦の意味でも父の帰還が待たれます。そんなサムは改めて父の安否と行方を尋ねるためウォッチャーの元へ向かっていました。寡黙だが決して冷たくはなく、むしろサムを暖かく迎えるウォッチャー。2人の間には奇妙な友情が芽生えているようです。ところがその日、ウォッチャー邸からは異様な雰囲気が漂っていました。いつものように静かなこの場所ですが、どこか不気味な感覚をサムはハッキリと感じています。何かあったのか? 悪い予感は最も恐ろしい形で的中していました。そこには目玉がくり抜かれ、血溜まりに沈むウォッチャーの亡骸が転がっていたのです。
f:id:ELEKINGPIT:20230801074619j:imageウォッチャーの遺体を見つけるサム。友の死にただ声を上げるしかなかった。

 

アベンジャーズへ助けを求めるサム。しかしアベンジャーズがいたのは戦場でした。ウォッチャーの「爆弾」を抱えるヴィランとの激闘を繰り広げていたのです。アベンジャーズの奮戦虚しくウォッチャーが見た真実を解き放つ爆弾は起爆してしまいます。世界中がその意志と関係なく、快不快の区別もなくあらゆる真実が暴露されました。サムの見た真実は、父ジェシーの過去。ノヴァとして宇宙を駆け回っている時代です。なんと過去のジェシーが他のノヴァを攻撃しているではありませんか。ジェシーはヒーローではなかったのか? サムのショックは計り知れません。そこでサムは、まるで暴露された事実から抗うように真相を確かめようと宇宙へ飛び立ちました。過去の映像から、「アドモックス」なる人物が鍵を握っていると考えたサム。そこでロケットに協力を求め、アドモックスを探すことにしました。どうやらロケットにはアドモックスという名前に心当たりがある様子。現在アドモックスはスラム街のような惑星でカジノを経営しているとの事です。ならばそこまで言って問い詰めるまで。警備員らを薙ぎ倒し、サム達は早速アドモックスの尋問を始めます。アドモックスはサムのヘルメットを見てすぐにジェシーのヘルメットだと気付いていましたか。2人にはただならぬ因縁があるようです。アドモックスの重い口が開かれます。それは何年も前のこと。アドモックスら数人のノヴァはその力を私利私欲のために使っていました。本来銀河の平和を守るための力で、宇宙海賊と変わらぬ蛮行を繰り返し、ブラックノヴァと呼ばれる日々。ところがある日、仲間だったはずのジェシーが離反します。なんとジェシーはブラックノヴァを摘発するために送り込まれたスパイだったのです。こうしてアドモックスはノヴァの力を失い、今ではすっかり落ちぶれていました。アドモックスは今でもジェシーを逆恨みしているようです。では肝心の父の居場所は? 答えはモニターに映し出されました。
f:id:ELEKINGPIT:20230802081411j:imageモニターに現れた父の姿。それは勇ましく、しかし危険を予感させるものだった。

 

父が行方不明になった真相。それはチタウリが誘拐したからでした。アルコール中毒に悩まされる日々を送っていたジェシーですが、かつてのノヴァというだけあり肉体はまだまだ健全。強制労働に従事し、現在は剣闘士として戦闘の毎日を送っていました。剣闘士と言えば聞こえがいいかもしれませんが、要するに命懸けの戦いを強制させられそれを娯楽として消費されている、見世物の戦士です。ジェシーの扱いが如何に悪いかは想像に難くないでしょう。ノヴァの力を受け継いだサムが助ける番です。ロケットに別れを告げ、サムは単身でチタウリの惑星へと向かいました。剣闘士の収容所に到着したサム。ところが警備兵曰く既にジェシーはいないと言い始めます。現在、ジェシー奴隷解放のために動き始めている最中なのだとか。やはりノヴァとして活躍していた時代から、高潔な精神は変わっていなかったのです。ジェシーは剣闘士として活躍する傍ら、奴隷労働に従事する人々を匿い宇宙船で逃していました。その全てを終えるまで地球には帰れないというメッセージを残して。
f:id:ELEKINGPIT:20230802083523j:image言伝と共に残したメッセージ。サムはその言葉を信じて地球へ帰る。

 

〈次のステージ〉

ついに父の生存を知ったサム。今作はサムの物語において、オリジナルシンのタイインでありながら大きなターニングポイントとなったでしょう。父を探すという物語で、「あとは待つのみ」という状態になったのです。これまでの物語に1つの区切りが着いた今作。ならば今後サムはどうなるのでしょうか? それまでの「物語」は他のヒーローとの絡みも交えながら進行していました。しかしそれはガモーラやロケットなどごく限られたヒーローにのみ留まっています。今作ではオリジナルシンのタイインということもあり、アベンジャーズとの会話も交わされました。サムのヒーローとしての交流はこれからも広がることでしょう。ならば次に求められるものは自明です。ヒーローとしてより大きくなることでしょう。既にヒーロー活動に手慣れた様子を見せているサム。ならば更に手を広げるのも1つでしょう。より大きな規模のヒーロー活動を始めるのです。もちろん1人ではなく、アベンジャーズや親交のあるヒーローと共に。1つの物語に決着が着いたサム。ならばその先を望む私が存在しています。この先より大きなヒーローとなるため、様々なヒーローと協力する姿に期待したいと思います。